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配役無数
第五章
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 ひびきはマネージャーにだ、こっそりと話した。
「役柄はいいですし外じゃなくてもです」
「いいのね」
「そうですが最初にお話させてもらった通り」
「本当に殴られたり蹴られたり」
「それを私がすることも」
「暴力は駄目ね」
「絶対に、あと相手は人間限定で」
 そこは言うのだった。
「何かあるんですよね」
「それね、裏ではね」
「表ではないですね」
「うち裏の仕事はしていないけれど」
「そういうのはです」
 絶対にというのだ。
「アウトですから」
「わかってるわ」
 マネージャーも確かな声で答えた。
「それはね、あと同性愛もよね」
「無理で」
 こちらもというのだ。
「スカトロなんかも」
「どっちも表もあるけれどね」
「そういうのは」
「色々な役はよくても」
「どうしても」
「そのことはね」
「はい、お願いします」
 ひびきの声は切実あものだった。
「あの、本当に駄目なんで」
「うちはそうしたこともね」
「わかってくれてますね」
「どうしても無理ってあるでしょ」
 マネージャーも真面目な顔で答えた。
「誰だって」
「私の場合はそうしたことで」
「どれも特殊ね」
「同性愛は案外普通ですね」
「日本ではね、けれど嗜好はね」
 こうしたことのというのだ。
「どうしてもあるし」
「それで、ですね」
「そこはちゃんとね」
「NGということで」
「他の娘と出るだけで充分だから」
「絡まなくても」
「それでもね」  
 こう言うのだった。
「そこは安心してね」
「そういうことで」
「ええ、それでまた作品決まったけれど」
「今度は何ですか?」
「特撮ヒロインで」
 この役柄でというのだ。
「凄く短いミニスカートでね」
「超ミニですか」
「それを穿いてもらって」
 そうしてというのだ。
「白ショーツをね」
「出すんですか」
「アクションでどんどんね」 
 こうひびきに話した。
「出してもらって敵に捕まって」
「お約束の展開ですか」
「縛られてね」
「そうですか」
「いいわね」
 強い声で言うのだった。
「それで」
「はい、今度はヒロインですね」
「そうよ、本当にこのお仕事はね」
「役柄多いですね」
「あらためて実感したでしょ」
「しました」 
 まさにとだ、ひびきも答えた。
「本当に」
「じゃあそっちの作品もね」
「頑張っていきます」
「そうしてね」
「身体張ってやります」
「そう、身体あってよ」
 マネージャーの言葉はこれまでで最も強いものだった。
「実際身体使うお仕事でしょ」
「これ以上はないまでに」
「だったら健康に注意して」
 それと共にというのだ。
「身体を張ってね」
「やっていきます」
「だから
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