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配役無数
第三章

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「一度に何人もとか」
「それは他の役でもあるわね」
「ですね、本当にこのお仕事って」
「配役多いわね」
「滅茶苦茶多いですよね」
 ひびきは撮影がはじまる前に笑って話した。
「兎に角」
「そうね、これがゲームだとね」
「そうしたゲームですね」
「案外ね」
 これがというのだ。
「学校とかが舞台の場合が多いしネットのゲームでもね」
「案外ですか」
「設定が似たり寄ったりで」
 それでというのだ。
「配役もね」
「限られてますか」
「こちらよりずっとね」
「そうですか」
「だから演じる声優さんも」 
 この人達もちうのだ。
「案外ね」
「演じる役限られてるんですね」
「そうなのよ」
「それは意外ですね」
「声優さんの方が演じる役柄多いと思うでしょ」
「私達よりも」
 ひびきは真面目な顔で答えた。
「そうだと」
「けれど女子高生とか女性化とかで」
「今の私みたいな人妻役もありますよね」
「あってもね」
「限られていますか」
「そうよ、一番配役が多いのはやっぱりね」
 マネージャーは自分の予想をそのまま話した。
「ひびきちゃんみたいなね」
「アダルト女優ですね」
「人妻さんでも色々なバリエーションあるしね」
「あり過ぎな位ですね」
「今度は政治家役だしね」
「まさか政治家さん演じるとは思いませんでした」
 ひびきは苦笑いで答えた。
「このお仕事はじめた時は」
「だからもう幾らでもね」
「役があるんですね」
「そうなのよ」
「そうですか」
「それでね」
「政治家にもなりますか」
「スーツ着て居丈高なこと言って」 
 そうしてというのだ。
「襲われて徹底的にやられて」
「そうなってですね」
「プライドズタズタになるっていう」
「物凄いお話ですね」
「そうなっているから」
「わかりました」
「まあ何かとね」 
 マネージャーはひびきに真剣な顔で話した。
「このお仕事もね」
「大変ですね」
「そうしたことすることも」
「体力勝負ですしね」
「そうしたことではしないとね」
 さもないと、というのだ。
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