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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第二十四話 我思う、故に我あり
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―――学校校庭―――
「ハアアァァァ―――――――!!」
「何?」
火砲の直撃を受けてそれを突破した
小娘
(
レオンハルト
)
を目にし、驚愕や焦りなどでは無いほどだが僅かながらの驚嘆が浮かんだ。
意外だな、全力で放ったわけではないが少なくとも手を抜いたつもりは無い。今の攻撃の直撃を受ければベイやマレウス、ブレンナーといった平団員では耐えれん代物だ。それを真っ向から打ち破り反撃の一手を放つとは。
「で、そこまでか。小娘?」
「な、そんなッ!?」
確かにそれは意外であったが、その原因を見抜いた上で言おう、甘いと。私の首に攻撃を当てたは良いが首皮一つ剥げんとはな。
「ムラが有り過ぎるのだよ。貴様がキルヒアイゼンの雷撃を使って直線に駆け抜けたのは確かに懸命だったと言える」
今の一撃は小娘自身にとっても会心の一撃だったのだろう。誰であろうとも大技を放った直後というものは隙を見せる。
そして武器には総じて適正距離が存在する。その距離より近すぎても遠すぎても本領は発揮できん。すなわち小娘の最短距離で駆け抜ける直線的な攻撃は一見下策に見えてその場で取れる最上の手だったと言えるだろう。
「故に、その点においてのみならば称賛に当たるといっても良い。私の武器は基本、遠いほどに威力を発揮するからな。だが、その後のこの攻撃……貴様、私を舐めてるのか?」
気概、勢いは十分。確かにその身の全力をぶつけたのだろう。だが足りない。魂の数も技術も経験もそういった戦いを征する為に最も重要なものが何もかも、圧倒的に足りていない。私を、ザミエル・ツェンタウアを斃すには最低限どれか一つは上回って見せるべきだ。
「結局は小娘に過ぎんか。数で負けている以上、殺意を巻き散らすのは失策だ。一点突破。それ以外の選択など小勢の貴様には有り得んよ」
「ガッァ――――――!?」
続く次弾を放ち、止まった羽虫を叩き落す。キルヒアイゼンならば粘るか、走り抜けるかしただろうに……と、そこまで考えて目の前の小娘と自分の部下を比較したことに苛立ちを感じる。
「やはり貴様にその席は似合わんよ。そこは私の部下の席だ。全く阿呆なところが似ているだけに余計苛立つ。貴様が黒円卓に名を連ねたいというのならば貴様自身の席である屍骸の席に着け」
「屍骸の席、だと……」
「ああ、貴様等の一族にはそれでも十分な栄誉だろう。何せその身を腐毒に染めるだけで貴様等一族は名誉アーリア人として認められ、さらには黒円卓に名を連ねることが出来るのだからな」
東洋人という猿が得られるには十分すぎる程の栄誉だ。少なくとも私自身はそう思っている。
「ふざ、けるな……何が、何が栄誉だ!終わった戦争に巻き込んで、過去の栄光に囚われて…勝手に自分達だけで戦争でも何で
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