第八十五部第二章 日本大使館その十九
[8]前話 [2]次話
「すき焼きが出たとのことなので」
「そのこともあってお寿司もいいと思ってです」
「出されるのですね」
「そのことを決定しましたが」
それでもというのだ。
「やはりよかったですね」
「そう思います、私も」
大使として太鼓判を押した。
「いつも同じメニューを出しても飽きられます」
「そこが問題ですね」
「ですが次は違うものを出す様にすれば」
「飽きられず」
そしてというのだ。
「楽しんでもらえますので」
「だからですね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「私はです」
「今回はお蕎麦にですね」
「天婦羅にです」
「お寿司とされますね」
「そうしました」
そうしたものを出す様にしたというのだ。
「次はまた考えますが」
「今回はですね」
「お寿司にします」
蕎麦そして天婦羅と合わせてというのである。
「そちらを出します、ネタも用意出来ましたし」
「各種ですね」
「鮪をはじめとして」
そしてというのだ。
「鮭、ハマチ、鯛、こはだ、アジ、鰯、そして貝類も蛸や烏賊もです」
「全てですね」
「有名なものはあらかた、当然巻き寿司もです」
こちらの寿司もというのだ。
「出せます」
「では」
「ではといいますと」
「納豆巻きもですね」
チバは笑ってこちらも出した。
「そちらもですね」
「はい、卵も出せますし河童巻きもで」
「そして納豆もですね」
「そちらも出せます」
「あちらはお寿司の中で特に面白いですね」
「納豆も不思議な食べものですが」
領事はその納豆の話をした。
「それをお寿司にするとは」
「非常にですね」
「不思議なセンスです」
「納豆は大豆を発酵させたものです」
「それでかなりの匂いがしますね」
「はい、ですが独特の味があり」
その味にまた定評がある。
「そしてご飯にも合います」
「それで日本人はよく食べますね」
「ですがその納豆をお寿司にも使うとは」
「全く以て変わった発想ですね」
「しかもその納豆巻が」
これがというのだ。
「美味しいですね」
「全くですね、それも用意されるとは」
チバはにこやかに笑って話した。
「日本の方々も喜んで頂けるかと」
「そしてそのことからもですね」
「親睦を深められるかと」
尚更というのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ