第七百二十二話 哺乳類その十
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「言っている」
「連合の常ですね」
「だが今自分達が食べていることはな」
そのオオウミガラスをだ。
「絶滅させていないからとな」
「いいとしていますか」
「何でも食べてだ」
そうしてというのだ。
「数が増え過ぎてだ」
「生態系のバランスを崩しますか」
「それを防いでいると言ってな」
実際に連合ではこう言っている、そうして様々な生きものを食べてその味を楽しんでいるのである。
「食べている」
「勝手な理屈ですね」
「自分達の都合のいいな」
「そうですね」
「そう言ってまずいとな」
「食べないのですね」
「別の用途に用いる」
食用以外のというのだ。
「そうする」
「そうなのですね」
「だが無駄に捨てることはしない」
これはないというのだ。
「かつての捕鯨の様にだ」
「鯨油を取って後は捨てる」
「そんなことはしない」
「全て利用しますね」
「生態系の調整の為に狩りをしてもな」
それでもというのだ。
「それだけで終わらない」
「その身体は全て用いますか」
「肉も骨もな」
「食べずともですね」
「人が食べなくてもな」
それでもというのだ。
「家畜やペット達にだ」
「食べさせますか」
「そうする、あと奇食マニアが多い国だ」
連合はそうした人も多い、普通人が食べない様なものを好んで食べる人が結構な割合でいる国でもあるのだ。
「そちらにだ」
「回しますか」
「それにイヌイットの食文化でもある」
こちらの人達のそれにというのだ。
「アザラシやホッキョクグマ、セイウチを食べる」
「そういったものも」
「そうだ、尚すぐに食べない場合もある」
「狩りをして」
「寄生虫がいるからな」
こうした生きものの身体の中にはというのだ。
「だからだ」
「保存してですか」
「冷凍させたりしてな」
寒帯であるので肉は適当な場所に置くと普通に冷凍されるのだ。
「虫を殺してからな」
「食べるのですね」
「そうしている、もっとも今はな」
この時代はというと。
「イヌイットの文化も連合の中にあるからな」
「化学文明の中にあって」
「普通に冷蔵庫や冷凍庫で冷凍している」
アザラシ達の肉をだ。
「そうして食べている」
「そうなのですね」
「今ではな、そして食べることをな」
「行っていますか」
「あまり食べる人がいないことは事実だが」
味の関係でだ。
「食べる人はいるしな」
「それにですね」
「他に利用法もあるしな」
「食べていますね」
「そうしている、尚連合では鯨は海豚も食べるが」
こうした生きもの達もというのだ。
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