第七百二十二話 哺乳類その九
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「通だとな」
「されていますか」
「連合そしてこの動物園の常連からもな」
「そうですか」
「ただ食べるとな」
オオウミガラスとペンギンをというのだ。
「オオウミガラスは美味いが」
「ペンギンはそうではないのですね」
「連合は何でも食べる国だが」
「ペンギンを食べるという話は聞かないですね」
「それは何故かというとな」
その理由はというと。
「お世辞にもな」
「美味しくないからですね」
「だからだ」
その為にというのだ。
「連合ではな」
「ペンギンは食べないですか」
「オオウミガラスは食べるが」
それでもというのだ。
「ペンギンは食べない」
「美味しくないので」
「あとアザラシ達もな」
丸々と太った彼等を観て話した。
「どうもな」
「美味しくないのですか」
「その様でな」
それでというのだ。
「あまり食べないな」
「連合では」
「寒冷地に住んでいる者達は食べるが」
そうであるがというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「あまりな」
「食べないですか」
「水のものは船以外は食べてもな」
またこう言うのだった。
「しかしな」
「まずいとですね」
「食べない」
「まずいならですね」
「食べないのだ」
連合でもというのだ。
「やはりな」
「そうですか」
「毒がある部分は除いて食べるが」
「まずいとですね」
「そこははっきりとしている」
美味ければ食べるがというのだ。
「実にな」
「誰もまずいと食べないですね」
「美味いから食べるということだ」
「だからペンギンやアザラシは食べられないですね」
「連合ではな」
「よくわかりました」
上等兵は確かな顔と声で応えた。
「わかりやすい話です」
「欲望に忠実な国だ」
大尉は連合をこう評した。
「だからな」
「美味いなら食べて」
「まずいなら食べない」
「そうだ、ただオオウミガラスを食べてもな」
それでもというのだ。
「そこからだ」
「エウロパを批判しますね」
「絶滅させたとな」
「地球では」
「環境破壊を行ったとな」
この時代でも批判されるこの行いをというのだ。
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