第四十一話 深き者共その八
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「白人でアングロサクソン系でプロテスタントか」
「それな」
シェリルはオニオンソースのハンバーグステーキを食べながら言った。
「今もあるけどな」
「アメリカにはな」
「こっちにもあるし」
「オーストラリアにもか」
「どっちもイギリスの植民地やったさかいな」
「そうなるか」
「ただ我が国はな」
オーストラリアはというのだ。
「私はアボリジニーの血が入ってるけど」
「それでもか」
「こっちは移民っていうよりは」
起きた世界のアメリカは移民の国と呼ばれるがというのだ。
「もうな」
「罪人か」
「それの国やとな」
その様にというのだ。
「言われてるやろ」
「流刑地やったからやな」
「ワスプみたいに言われることはな」
「ないか」
「移民と流刑囚、犯罪者はちゃうからな」
シェリルは言い切った。
「移民はそれぞれの事情があってもな」
「自分達の意志で市民として渡ってるな」
「しかしな」
それがというのだ。
「流刑囚は悪事を働いて流された」
「処罰としてな」
「同じ新天地に行ってもな」
「市民と犯罪者やとな」
「ほんまちゃうからな」
その在り方がとだ、シェリルは芥川に話した。
「それでや」
「オーストラリアではか」
「流刑地とか犯罪者の国とか言われるのが嫌で」
「ワスプもか」
「アメリカより言われん」
そうした状況だというのだ。
「そうなってるわ」
「そやねんな」
「兎に角犯罪者の国と言われるのがな」
このことがというのだ。
「オーストラリアでは嫌がられるわ」
「別に自分やダーガーが何かした訳やないやろ」
リーはシェリルにサーロインステーキを中華風のソースをかけて食べつつそのうえで彼女に言った。
「そして今のオーストラリアの人達もや」
「ご先祖はご先祖でな」
「自分等はちゃうやろ、まして今のあの国は」
起きた世界のオーストラリアはというのだ。
「アメリカと一緒dで色々な国から人が来て」
「そうした人達は特にな」
「そんなルーツはないな」
「そや」
「それに自分はアボリジニーやし」
「関係ないわ」
オーストラリアの原住民である、ただしこの大陸に入ったのは比較的新しく十世紀位のことだと言われている。
「別にな」
「そやろ、それやとな」
「意識せんでもええか」
「ああ、まあラグクラフトさんの偏見はな」
人種的文化的なそれの話に戻した。
「今やと負の遺産と言われて私もそう思う」
「あかんもんやな」
「しかしあの人が紹介した神々にはな」
「そのことは関係ないな」
「そういうのとは無関係のな」
偏見即ち人間的な感情とはというのだ。
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