第四十一話 深き者共その七
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「頂くわ」
「わかりました、それでは」
「ああ、頼むな」
「ラグクラフトさんはお醤油知ってたやろか」
綾乃はサーロインステーキを食べている、デミグラスソースをかけたそれを切って食べつつ言うのだった。
「あの人は」
「知らんかったやろ」
中里はステーキを待つ間サラダを食べることにして実際にそうしている、そうしつつ綾乃に答えた。
「当時のアメリカってアジア文化はそんなにな」
「浸透してなかったんやね」
「ああ、麻雀あったで」
メルヴィルが自分のティーボーンステーキを食べつつ話した、ケチャップをかけてそれで食べている。
「それはな」
「ああ、そういえばそうか」
中里はメルヴィルに思い出した顔になって応えた。
「麻雀はな」
「それはな、中華街もあったし」
「その頃にな」
「当時移民は禁止されてたけど」
日系そして中国系の移民をそうしていたのだ、それは二次大戦後暫くまで続いていてラグクラフトはその時代に生きていたのだ。
「中国系はもう入っててな」
「中華街もあったか」
「それでや」
「麻雀が流行したんやったな」
「当時のアメリカでな」
「麻雀な」
今度は施がヒレステーキバターを乗せたそれを食べながら言って来た。
「今は中国でもな」
「やってる人減ってるか」
「他に色々遊びあるさかいな」
こう中里に話した。
「それでや」
「本場でもか」
「麻雀やる人減ってるわ」
「そやねんな」
「昔は誰もがやってたけどな」
羅もデミグラスソースをかけたヒレステーキを食べながら言ってきた。
「今はスマホゲームをな」
「中国でもしてるか」
「そうなってるわ」
「そやねんな」
「麻雀ルール複雑やしな」
「それが大きいか」
「それに二人か四人おらんと出来んやろ」
このことも言うのだった。
「正式には四人でな」
「一人では出来んか」
「それも大きいわ」
「まああの人は中国というかアジアにはそんなに偏見なかったらしいが」
トウェインはオニオンソースのティーボーンステーキをフォークとナイフで切りつつ話に入ってきた。
「それでもな」
「偏見強い人でか」
「やっぱりお醤油はな」
「使ってへんかったか」
「そうやったやろな」
「そうなんか」
「功績のある人でも」
文学的なそれはというのだ、何しろ一つの怪奇小説のジャンルを開拓した人物だ。彼自身はそうは思っていなくても文学て功績があることは事実だ。
「それでもな」
「偏見は強かったな」
「そこがかなりのマイナスでな」
トウェインは起きた世界の自分がラグクラフトが蔑視していたアフリカ系であることも意識して言った。
「それが文化にも及んでるから」
「お醤油も使ってへんかった」
「例え知っていてもな」
こう中
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