第百一話 怪我をしないことその六
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「お塩とか梅干しとかお味噌とかだから」
「塩分高いのばかりね」
「そんな風だから」
「高血圧で」
「脳出血か何かになって」
「お亡くなりになったのね」
「四十九歳でね」
奇しくも彼と戦った織田信長もまた四十九歳で没している、彼は本能寺の変で自害しているので死んだ背景や理由は違うがだ。
「そうだったよ」
「昔は人間五十年で」
「四十九歳でもね」
「特に若死にじゃないわね、けれど」
それがとだ、一華は難しい顔で述べた。
「今だとね」
「若死にだよね」
「まだまだこれから?」
「四十九だとね」
「今七十でもこれからって言う人いるし」
心が元気でだ、それで頑張っている人もいるのだ。
「それじゃあね」
「本当に若いね」
「四十九歳で大酒でお亡くなりになるって」
「しかも塩分摂り過ぎでね」
「よくないわね」
「そうだよね」
「それで謙信さんも」
一華はあらためて言った。
「糖尿病だったの」
「だから下手したら足を切ったり」
「そんなことになってたかも知れないのね」
「若しかしたら、それで」
達川はあらためて言った。
「田之助さんもね」
「三代目の」
「鉛もあったにしても」
「糖尿病もなの」
「あったかもね、大分飲んでいたかもね」
酒をというのだ。
「売れっ子の役者さんだったし」
「物凄く遊んでいて」
「そうだったかもね」
「そう考えるとお酒も程々ね、アルコール自体も過ぎると怖いしね」
「糖尿病にならなくてもね」
達川もこう返した。
「日本酒以外のお酒を飲んでも」
「それでもね」
「明治帝も糖尿病になられて」
この方も日本酒がお好きであられた、もっと言えばアンパンの逸話もあるし甘いものも好んでおられた。
「白ワインにね」
「飲みお酒変わったのね」
「お医者さんが言って」
そうしてというのだ。
「糖尿病は怖いし飲み過ぎると」
「お酒なら何でもね」
「肝臓とか壊すよ」
「肝臓壊したらね、大阪だと」
一華は眉を曇らせてだ、達川に言った。
「やっさん?」
「横山やすしさんだね」
達川はその仇名を聞いてすぐに誰のそれかわかった。
「俺達が生まれる前に亡くなってるけどね」
「凄い漫才師だったのよね」
「あの人お酒好きで」
元々そうだったという、それで問題も起こしている。
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