第百一話 怪我をしないことその五
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「けれどね」
「それだけじゃなくて」
「お酒かなり飲んでいて」
「糖尿病にもなって」
「二つの病気が合併症になって」
そうしてというのだ。
「それでじゃないかな」
「両手両足なくなったの」
「そうじゃないかな」
こう一華に話した。
「俺そう思ったよ」
「そうなのね」
「うん、ただその人は自業自得じゃないけれど」
ただしかなり気性が激しく周囲とトラブルが絶えずその報いだという言葉が当時囁かれていたという。
「凄いお話だね」
「そうよね」
「両手両足なくなってまだなんだ」
「舞台に立っていたのよ」
「動けないのに」
「それでもね」
「それで遂にだね」
「今度は鉛の毒が頭にいったみたいで」
このこともあるのだ、鉛中毒は知能低下や思考の異常をもたらしもするのだ。ローマ帝国は鉛を多用しそれで多くの者がそうした症状を起こしていたという。
「おかしくなって」
「座敷牢に入れられて」
「そこでお亡くなりになったそうよ」
「あのお名前にそんな歴史があったんだ」
達川は深刻な顔で述べた。
「壮絶だね」
「そうよね」
「鉛も怖いしお酒の飲み過ぎもね」
「怖いわね」
「いや、お酒自体も怖いけれど」
その飲み過ぎはというのだ。
「日本酒もね」
「怖いわね」
「糖尿病になるからね」
「糖尿病って怖いしね」
「そういえば上杉謙信さんも」
越後今の新潟県の戦国大名の彼もというのだ。
「毎日夜になると」
「あの人お酒大好きだったのよね」
「もうそれが趣味で」
陣中でも欠かしたことがないまでにだ。
「毎晩ね」
「かなり飲んでいたのよね」
「それでね」
その為にというのだ。
「お亡くなりになってるけれど」
「脳卒中か脳出血よね」
「脳梗塞かもね、それで糖尿病もね」
この病気もというのだ。
「一説ではね」
「患ってたの」
「そう聞いてるよ」
「毎日かなり飲んでいて」
「そのせいでね」
「大酒飲みだったのは有名だし」
一華はこうも言った。
「私が知ってる位だしね」
「新潟の子皆言うしね」
「郷土の英雄で」
新潟ではそうなっている、このことは彼のライバルであった甲斐今の山梨県の戦国大名武田信玄も同じである。
「皆絶賛するけれど」
「あの人もね」
「毎日日本酒飲んでるとね」
達川もどうなるかと言った。
「やっぱりね」
「糖尿病よね」
「しかもおつまみが」
酒に欠かせないそれもというのだ。
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