第五章
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「今阪神が一位でしょ」
「人気はな」
「それでカープもね」
「人気チームだな」
「当然の結果よ、悪いことばかりしてね」
巨人の十八番である、悪事を除いて巨人は語れない。
「マスコミの北朝鮮の宣伝みたいな」
「悪いことを隠して美化してな」
「そんな宣伝ね」
「もう通用しないからな」
「だから巨人の人気はね」
マスコミによって作られたもっと言えば捏造されたそれはだ、そうしたことを見ても巨人はまさに日本のいや世界のスポーツ界の北朝鮮であるのだ。
「落ちてるわ」
「皆に正体がわかってな」
「それで注目度もね」
「低いな」
「そうよ、それで私もね」
「そんな注目してないな」
「何かお爺さんがね」
ここでこうも言った。
「あのしゃもじみたいな顔した」
「堀内とかいうか」
「そうそう、監督として最低だった」
「他チームから見れば最高だったな」
「あの人が誰獲れとか言ってたけれど」
「巨人行くならメジャーだろ」
「楽天の松本さんとかね、実際にね」
千佳は自分のスマートフォンで情報を確認して答えた。
「朝井さんメジャー目指すそうよ」
「頑張れだな」
「堀内さん獲れって言ってたけれど」
「残念でしただな！」
寿は妹の言葉に満面の笑みで叫んだ。
「いやあ、よかったな！」
「本当にね！ざま見ろよ！」
千佳も笑顔で叫んだ。
「巨人の補強失敗はね」
「いいニュースだよ」
「巨人行くならね」
「阪神だな」
「正直私としてもそっちの方がずっといいわ」
「そうだな、阪神は今はな」
「補強よりもね」
千佳もわかっていた、このことは。
「そっちね」
「だからな」
「他チームから掠め取らないわね」
「巨人みたいになったら」
それこそというのだ。
「ああなるってわかってるからな」
「そうよね」
「それで他の人もか」
「獲れって言ってたけれど」
「巨人行ってもな」
「どうせ使い捨てだしね」
外様は使い捨てにする、それが巨人だ。生え抜きしか大事にせず監督は必ず生え抜きのスター選手である。
「だからね」
「行く人も減ってるな」
「ええ、ただカープはね」
「散々強奪されてるな」
「そうよ、だから怨みはね」
「骨髄だな」
「その巨人をよ」
カープもっと言えば全人類普遍の敵のこのチームはというのだ。
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