第七十七話 おみちの本その二十
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「最寄りの駅は」
「そうでしたね、あそこは普通しか停まらなくね」
「本当に詳しいわね」
「ですから何度も行ってますんで」
「それで知ってるのね」
「そうです、あと先輩大学卒業されたら大教会に入られます?」
「それはまだわからないわ」
正直なところです。
「専修科行かせてもらったらお礼でね」
「それで、ですか」
「二年大教会でおつとめさせてもらうけれど」
他の大教会は知らないですが奥華はそうなっています。
「奥華ではそうなってるのよ」
「それで大学の場合は」
「特に聞かないわね」
「そうですか」
「ただ私も大学出てもね」
それでもです。
「まだまだ伏せ込みが必要だから」
「大教会にもですか」
「行かせてもらうかもね」
「そうなんですね」
「けれどそれは」
新一君を見て言いました。
「新一君に関係ある?」
「いえ、ただ先輩が卒業して何処に行かれるかが気になったんで」
「だからなの」
「大教会に入られても」
それでもというのです。
「僕そっちに行かせてもらうんで」
「どうしてなの?」
「いやあ、もう行かずにいられないんで」
「その理由は?」
「先輩がおられるからです」
ここで詰所の事務所の人達がどなたも笑顔になりました、それで新一君を見ますが私はわかりませんでした。
「私がいてどうなのよ」
「それだけで全く違うんですよ」
「そうなの?」
「はい、ですから」
それでというのです。
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