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ドリトル先生の落語
第十一幕その四

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「僕はもてないからね」
「あの、それは」
 流石にとです、春琴さんは少し驚いたお顔で応えました。
「流石に」
「流石に?何かな」
「いえ、ええです」
 先生が気付いていないのを見て言うのを止めました。
「ほんまに」
「そうですか」
「はい、ただ私としては」
「春琴さんとしては?」
「まあこれから頑張って下さい」
 こう言うだけでした、そしてです。
 春琴さんはティータイムの後で先生とお別れしました、そして先生は学問に入りましたがここで、でした。
 皆は呆れてです、こう言いました。
「春琴さんも気付いてるね」
「まあ誰だって気付くよね」
「先生以外は」
「そうよね」
 こう言うのでした、ですが先生は首を傾げさせるばかりでした。
「皆で言うけれど何なのかね」
「先生、落語で恋愛話あるよね」
 老馬が言ってきました。
「そうだよね」
「落語って色々あるからね」
 お話のジャンルがとです、トートーも言いました。
「だからあるね」
「先生これまで恋愛小説とかも学んできたね」
 このことはジップが指摘しました。
「そうだよね」
「源氏物語とか伊勢物語とか」
「和歌でも多いね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「日本でもね」
「古典とかね」
「この前武者小路実篤さんの論文書いていたけれど」
 ポリネシアはやれやれといったお顔で言いました。
「素敵な恋愛を書いているとも言ってたね」
「恋愛わかってるじゃない、先生」
 ガブガブが見てもです。
「それもよくね」
「サラさんも言ってるけれど」
 チーチーは妹さんのお名前を出しました。
「先生はもっと自分を見てね」
「客観的に見たら」
 それならと言うホワイティでした。
「わかると思うよ」
「他のことは客観的に見られても」
「こうしたことは出来ないんだよね」
 チープサイドの家族も呆れ顔です。
「本当にね」
「何一つとして」
「人には得手不得手があるけれど」
 ダブダブもやれやれといった感じです。
「先生はスポーツとこうしたことはからっきしね」
「スポーツは確かに不得意だけれど」
 それでもという先生でした。
「こうしたことって何かな」
「それがわかっていないのが」
「先生が今言われる理由なんだけれどね」
「もうね」
「先生も頑張って欲しいよ」
「気付いて欲しいわ」
「ううん、やっぱりわからないよ」
 皆の言うことがと言う先生でした。
「本当にね」
「まあそのうちかな」
「いつもこの結論に至るけれど」
「先生のこのことは」
「振り向いたらいいだけだし」
「それだけだしね」
「そうなんだ、じゃあ今からね」
 こう言った先生でした。
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