第四十話 憧憬その十四
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「終わらせられるなら」
「いいんだ」
「楽になります」
「楽に」
「はい、もうです」
少し遠い目になって上を見上げてだ、牙暁に話した。
「疲れました」
「嘘を吐き続けて」
「そして桜塚護であることに」
「そのことにもなんだ」
「ええ、ですから」
それ故にというのだ。
「もうです」
「終わらせて」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「静かに眠りたいですね」
「僕としては」
こう言うのだった。
「是非」
「疲れても」
「少し休めばいいですか」
「僕はそうして欲しいよ」
「ははは、これは本音ですが」
牙暁の今の言葉ににこやかに笑って答えた。
「僕はそう言ってもらって」
「嬉しいかな」
「いいお友達を持ったとです」
その様にというのだ。
「今心から思いました」
「僕は君の友達だね」
「庚さんも他の地の龍の方々も」
「君の友達だね」
「あの時からずっと一人でした」
また遠い目になって話した、そうしつつあの二人のことを思い浮かべた。そして二人と別れた後のことも思った。
「それがです」
「最初に会ったのは僕だね」
「そうでしたね」
「そして夢の中で」
「会ってね」
「お話をする様になって」
そしてというのだ。
「一人でなくなり」
「地の龍の中に入って」
「尚更です」
「そしてその中にいて」
「本当に嬉しいです」
「それが君の本音だね」
「はい、皆さんとお会い出来てよかったです」
澄んだ顔で言うのだった。
「まことに」
「ではこれからも」
「いたいですよ」
「それも本音だね」
「そうです、ですが」
それでもというのだった。
「僕はもう」
「疲れたんだね」
「ええ、それでは」
「これからだね」
「深い眠りに入っていいでしょうか」
「うん」
牙暁は静かな声で答えた。
「それではね」
「お休みなさい」
最後にこう言ってだった。
星史郎は眠りに入った、そして地の龍の者達が集まっているその場で友人達に微笑みそのうえで話した。
「では今からです」
「そのお店にですね」
「行きませんか」
??に対して答えた。
「皆で」
「そのお汁粉や善哉が美味しい」
「そのお店にです」
まさにというのだ。
「行きましょう」
「わかりました、楽しみだったんですよ」
??は淀みのない顔と声で話した。
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