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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件〜二人だけの答え合わせ編〜
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騙されてたじゃないカ」

じろんと横目で軽くレンを一睨みし、もう一度ぐびりとジョッキを傾ける。

「気付いたのは、ついさっきだよ。ヨルコねーちゃんが落ちて、それを受け止めたときに、転移の発声が聞こえたんだ」

「にっひひひひ、なるほどナ。それじゃあ解るわナ〜。………じゃあレン坊──」

アルゴはごとん、とジョッキをテーブルに置いた。

「…………なぜそれをオイラに言う?この件は、これ以上お前には関係のない話ダ。そんなことをオイラに話しても、何の得はないゾ」

「それは──」

答えに窮するレンを見て、にひひとアルゴは笑うと、きらりと眼を光らせながら言った。

「あのヨルコって女は、シュミットを殺すなんてことはしないだろうし、そもそもレン坊は、この事件に積極的に関わったんじゃなく、巻き込まれた方なんダヨ。レン坊がこの件にこれ以上首を突っ込む必要は全くないと思うがナ」

沈黙がテーブルの周りに漂った。寂れたところのようで、レン達の他には店員のNPCしかいない。まぁ、こんなところだからこそ、アルゴはこの場所を待ち合わせ場所に指定したのだろうが。

夕暮れも過ぎ、青紫色に染まっている外をレンはぼんやりと見つめた。狩りから帰ってきた昼型プレイヤーと、起き出してきた夜型プレイヤー達が織り成す喧騒が不思議な引力でも持っているかのように、耳に入ってくる。

しばらくして、レンは口を開いた。

「これは、これはね……ただの勘なんだけど…この事件は、まだ終わってない。そんな気がするんだ」

フン、という鼻息が隣から聞こえ、アルゴに向き直る。

《鼠》の異名を持つ少女は、どこか不貞腐れたような、どこか呆れたような、どこか面白そうな表情を、三本ヒゲの書かれた顔いっぱいに浮かべていた。

「まったく、鋭すぎるゾ。レン坊」

「……んじゃあ、僕の勘は当たってたって訳だ」

おどけた会話。だが、アルゴはその飄々とした表情をにわかに硬くした。

「…………………笑う棺桶(ラフィン・コフィン)が出張ってきてる」

「……………っ!」

その言葉は、冷静だったレンを混乱させるには充分だった。否、充分すぎた。

思わず立ち上がったレンの背後で、けたたましい音を立てて椅子が床に転がる。

テーブルに置かれた、二つのジョッキに入った氷がカランと鳴る。

「………なんで…………奴らが…………」

『こんな事件に』という言葉を飲み込んで、ようやく悟る。この期に及んで、未だに笑みを絶やさないアルゴを軽く睨みながら、ゆっくりと言う。

「………グリムロックが犯人なんだね。リーダーを殺して、指輪を奪ったのは。そして、この件に首を突っ込んだヨルコねーちゃん達を殺そうと、汚れ仕事を引き受ける殺人者(レッド)を雇っ
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