第七百二十二話 哺乳類その五
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「そのうえでの名称だ」
「やはりそうですね」
「兎角だ」
「連合ではエウロパは嫌われているので」
「第一の敵で憎悪の対象だからな」
それ故にというのだ。
「人気のないヒョウアザラシもだ」
「そう呼ばれていますか」
「そうなのだ」
「全く以て不愉快な名前ですね」
「私もそう思う、その名付け方が連合らしい」
エウロパの者としての言葉だった。
「そうも思う」
「全くですね、しかし実際に私達以外です」
「ヒョウアザラシを観ていないな」
「そうですね」
「このアザラシだけ隔離されているのは他の生きものを襲うからだが」
そうした生きものだからだというのだ。
「しかし観る者がいないことはな」
「私達だけで」
「それは何故かというとな」
「不人気故ですね」
「そうだ、ヒョウアザラシがいる動物園も少ない」
そうした状況であることも話した。
「連合でもな」
「不人気だからですか」
「水族館にもアザラシがいるが」
その場合があるというのだ。
「水の生きものだからな」
「それで、ですね」
「しかしだ」
それでもというのだ。
「その水族館でもだ」
「ヒョウアザラシがいる水族館は少ないのですね」
「他のアザラシ達よりもな」
「そうなのですね」
「それもかなりだ」
「動物園等にいる生きものにも人気が関係しますか」
「人が来て観てくれてだ」
そうしてというのだ。
「入場料を払ってグッズを買ってくれないとな」
「経営が成り立たないですか」
「かつてのイギリスの博物館の様にだ」
大尉は例えも出した。
「入場料は無料で寄付に頼ったものではな」
「経営が不安定になりますね」
「事実イギリスもだ」
「入場料を取る様になりましたね」
「そこでイギリスは無料だ我が国は違うからとだ」
「駄目と言ってもですね」
「それは世間知らずの言葉だ」
そう言えるというのだ。
「それで経営が成り立つか」
「そうなるからですね」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「人気のある生きものをがな」
「動物園や水族館に入るのですね」
「ライオンや虎は絶対にいるな」
動物園にというのだ。
「水族館にもアシカやシャチがいる」
「左様ですね」
「こういった生きものは人気があるからだ」
まさにそれが為にというのだ。
「どの動物園や水族館にもいる」
「そういうことですね」
「だがな」
「ヒョウアザラシは人気がないので」
「だからだ」
まさにそれが為にというのだ。
「いる動物園は少ない」
「そういうことですね」
「この動物園も恐竜がいるからな」
「人気がありますか」
「この動物園の看板にさえなっている」
そこまで人気だというのだ、恐竜は連合の中で特に子供達
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ