第七百二十二話 哺乳類その四
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「アザラシはです」
「可愛いな」
「その外見が」
「これも定義だ、だが」
「その定義もですね」
「このアザラシで崩れる」
またヒョウアザラシを観て言った。
「猛獣だからな」
「人さえ襲う」
「星によってはホッキョクグマと共に棲息しているが」
「ホッキョクグマも狂暴ですね」
「だがそのホッキョクグマさえ襲う」
そうするというのだ。
「海中でな」
「そんなこともしますか」
「勿論ホッキョクグマもヒョウアザラシを襲うが」
「ヒョウアザラシもですか」
「ホッキョクグマを襲う」
「そして殺し合いますか」
「そうもしている」
星によってはというのだ。
「そうしただ」
「狂暴なアザラシですね」
「だから可愛いなぞな」
「言えないですね」
「天敵はシャチ等大型の鯨類位だ」
「そうですか」
「流石にシャチには負ける」
この生きものにはというのだ。
「知能は同じ位でもな」
「大きさが違いますね」
「シャチは普通に四メートルや五メートルあるからな」
最大で九メートル以上になる、しかも群れで行動するのでこれだけ厄介な海の生きものもそうはいない。
「人は襲わないが」
「そこはヒョウアザラシと違うので」
「しかしだ」
「ヒョウアザラシまで襲う様な」
「そうした生きものだ」
「ヒョウアザラシもシャチには負けますか」
「そうだ、だが天敵は他におらずな」
そしてというのだ。
「狂暴で危険でな」
「アザラシが可愛いという定義もですね」
「崩す、またアザラシは大人しいというな」
「その定義もですね」
「小型の魚しか食べないな」
そうしたというのだ。
「定義もな」
「崩すのですね」
「むしろ人気者のペンギンを襲う」
「人気のない生きものですか」
「連合ではアザラシは人気があるが」
そうした生きものだというのだ、観れば他のアザラシ達は同じコーナーにいて多くの観客達に観られている。
「ヒョウアザラシはだ」
「人気がないですか」
「そうなのだ」
「ペンギンを襲うので」
「人気者のな、また他のアザラシも襲うが」
「他のアザラシ達も人気があるので」
「そのことからもだ」
大尉は言った。
「ヒョウアザラシは連合では不人気だ」
「左様ですか」
「中にはだ」
上等兵に一息置いてから話した。
「エウロパアザラシとまで呼ぶ者がいる」
「不人気だからですか」
「狂暴で残忍な生きものとされているからな」
「だからエウロパですか」
「エウロパ貴族の様だと言ってな」
「あの、それは」
「偏見だ」
それに基づくというのだ。
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