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神々の塔
第四十一話 深き者共その一

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                第四十一話  深き者共
 海底だった、その階は。
 暗く何か得体のしれない禍々しささえ漂っている、岩と闇に包まれたその階を進み。
 リーは眉を曇らせてだ、こう言った。
「海は海でも」
「こうした場所はな」
「嫌なものやな」
「そやな」
 メルヴィルはこう返した。
「ほんまに」
「深海やな」
「ただの深海やなくな」
「禍々しいモンがおる」
「そうした海やな」
「次の神霊さんはや」
 リーは彼等の話もした。
「ラグクラフト神話の神々や」
「クトゥルフのな」
「それでその中にや」
「ダゴン神がおられるな」
「それでな」
 その為にというのだ。
「海は海でもな」
「こんな禍々しい海やな」
「そうした階になってるわ」
「全く、海っていったらな」 
 トウェインは自分がイメージする海について語った。
「何処までも続く大海原か」
「ビーチやな」
「そんなものやろ」
 こうリーに話した。
「海っていったら」
「そう思ってもな」
「こうした海もあるってことやな」
「そや」
 まさにとだ、リーはトウェインに答えた。
「中にはな」
「海も色々な顔があるか」
「荒れもすれば氷の海もあって」
「深海もあってやな」
「そしてその深海の中には」
 それにはというのだ。
「こうしたな」
「深き者共の海もあるか」
「ダゴン神のな」
「そうか」
「それでやな」
 施はここでだった。
 如意棒を前に放った、そしてその一撃で前から来ようとしていた肴人の不気味な服や鎧を身に着けた者達を倒してから言った。
「ここに出て来る連中も」
「ラグクラフトの神々に仕えてるんや」
「そうした連中やな」
「そや、この神話の神々はな」
「知性はあってもな」
「底知れぬ邪悪さに満ちた」
 そうしたというのだ。
「実に不気味なや」
「神々やな」
「原始的で本能的な」
 リーはこうも言った。
「文明とは全く離れた」
「そうした神々やな」
「そや、それでや」
「こうした無意識にやな」
「来る様な階もやな」
「あるんや」 
 施に対して話した。
「これがな」
「そういうことやな」
「それはわかるが」
 施はそれでもと言った。
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