第百話 彼岸を過ぎてその十六
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「他なくて普通より偏差値の低い学校出て」
「成績悪かったんだな」
「みたいよ」
「それじゃあ尚更な」
「何処が偉いのか」
「いや、本当に屑にしかな」
そこまでというのだ。
「俺思えないけれどな」
「けれど一人でお家にいて」
「仕事しないでか」
「そう思い込む様になったみたいよ」
「そうなんだな」
「そう思うと」
かな恵はさらに言った。
「ちゃんと学校行くか働くこともね」
「世の中に出ることもか」
「した方がいいわね」
「絶対にな、けれど引き篭もっても仕事出来るしな」
「やろうと思えばね」
「それでちょっと散歩とに出てもな」
「世の中見るし」
「普通はそうはならないよな」
「私もそう思うわ」
かな恵にしてもだった。
「幾ら何でもね」
「それでそうなるのがな」
「わからないわね」
「元々どうにもならない人だったのかもな」
「それがそうした暮らしで尚更酷くなったの」
「そうか?しかしそんな人親戚にも周りにいて欲しくないし」
成海はさらに言った。
「なりたくもないな」
「そう、そうなったらね」
かな恵もそれはと答えた。
「人としてね」
「終わりっていうかな」
「人ですらね」
「なくなるかもな」
「そこまでよね」
「っていうかな」
成海は考える顔になって言った。
「感謝も遠慮も何もしないんだよな」
「教会にお世話になってた人はね」
「それでふんぞり返ってな」
「反省もしないのよ」
「それで人に注意されたらどついたろかとか掴みかかったりとかな」
「人として最低どころか」
「人の最低の壁もな」
これすらもというのだ。
「ぶち抜いた」
「どうしようもな」
「そんなおっさんだよな」
「人ですらなくなった」
「そうなったら」
そのレベルまで堕ちればというのだ。
「もうな」
「終わりだから」
「何があってもな」
それこそというのだ。
「なりたくないな」
「そうよね」
「多少怠ける位ならいいだろ」
そう言われる程度ならというのだ。
「楽したい、けれどな」
「そこまで堕ちたくないわね」
「絶対にな」
「そうならない為には」
「努力しないとな」
「人間としてね」
「つくづく思ったよ」
そうした輩のことを話して考えると、というのだ。
「今な」
「私も。人間以下にならない為には」
「努力してな」
「人間性磨いていかないとね」
こうした話をしてだった。
二人はかな恵が作った弁当を食べていった、恋人同士の団欒の中でも二人で人間としてどうあるべきかも話したのだった。
第百話 完
2023・9・1
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