第百話 彼岸を過ぎてその十五
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「けれどね」
「言うことじゃないよな」
「そうよね」
「間違ってるよな、誰にもな」
成海もどうかという顔でかな恵に返した。
「そんなことはな」
「言ったら駄目よ」
「注意された位で」
「どついたろかなんてね」
「駄目過ぎるだろ」
「ましてお年寄りの人に」
「的外れなこと言われても」
例えそうであってもというのだ。
「聞き流したらいいよな」
「それで終わりよね」
「それを何言われたか知らないけれど」
成海も自分が知らないことを言った、実際にだ。
「そんなこと言うなよ」
「絶対にね」
「その人その頃どれ位だったんだ」
「その頃?四十代だったみたいよ」
かな恵は自分が過去聞いたことから答えた。
「どうもね」
「四十代か」
「今は五十代位って聞いてその人教会にいたのは十年位前らしいから」
「だったら四十代か」
「教会で言ったそうだし」
「教会に親戚の人が来てか」
「その時教会の行事やってて」
それでというのだ。
「親戚の人も来られていて」
「行事だと理事長さんもか」
「それでグループの総帥さんもね」
世界的な企業グループである八条グループのというのだ。
「来られていて」
「あんな人のいるところでか」
「言ったみたいよ、他の時もその人に言われて」
それでというのだ。
「掴みかかったこともね」
「あるのかよ」
「そうみたいよ」
「恫喝だけじゃなくて暴力もかよ」
「怒ってね」
「余計に酷いな、っていうかその人何処が偉いんだ」
成海は疑問を持って言った。
「自分はこの世で一番偉いって思ってたんだろ」
「そうみたいね」
「そんな様で何処がな」
「偉いのかね」
「本当にわからないけれどな」
「自分勝手に勘違いしてたんじゃない?」
かな恵は少し考えてから成海に答えた。
「ずっと働かないでお家にいて」
「ヒモニートでか」
「奥さんに逃げられもそうだったみたいで」
「狭い中にいてか」
「一人でいてね」
それでというのだ。
「勝手にね」
「思い込んだんだな」
「そうじゃない?」
「そうか?それでも酷いな」
成海は首を捻りつつ述べた。
「そこまで勘違いするってな」
「そうよね」
「やってることそれに状況みたらな」
「全然偉くないわね」
「何かした訳でもお金も地位もな」
「何もないのに」
それでもというのだ。
「私も思うわ」
「何処が偉いんだってな」
「ちなみに資格も学歴もね」
「ないんだな」
「運転免許は持ってても」
それでもというのだ。
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