第百二十一話 毎日見たいのでその十二
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「決めたら駄目だ」
「お金でもですね」
「お金ってのはすぐになくなるんだよ」
マスターは咲にこの現実の話もした。
「それこそ落ち目になったらな」
「それならですね」
「すぐにな」
「なくなるんですね」
「あんな流れ流れってのはないんだよ」
金程そうしたものはないというのだ。
「本当にな」
「だからですね」
「金持ちだからっていう理由でな」
「交際したら駄目ですね」
「驕る平家は久しからずだしな」
「調子に乗って散財したら」
「どれだけあってもな」
その金がというのだ。
「あっという間にだよ」
「なくなるんですね」
「そうだよ、あくまで今な」
「持っているだけですね」
「それだけでな」
「将来はわからないですね」
「そうだよ、金はそんなものでな」
「判断の基準にしたらいけないですか」
「お金だけじゃなくて資産全体がだよ」
金に限らずそうしたもの全般がというのだ。
「本当にな」
「あぶくものですね」
「そうだよ」
その通りだというのだ。
「今日あってもな」
「明日なくなりますね」
「そうなるかも知れないしな、メジャーリーガーなんてな」
彼等はというと。
「引退してからかなりの人が破産するらしいな」
「そうなんですか」
「物凄い稼いでもな」
野球で活躍してだ。
「その金がな」
「あっという間にですね」
「なくなってな」
そうなってというのだ、このことはメジャーの世界でも憂慮すべき問題であるとして解決案が探されているという。
「破産だよ」
「貯金したりとかは」
「だから現役時代の金の使い方がな」
「収まらなくて」
「引退してな」
そうなってというのだ。
「収入が減ってもな」
「お金の使い方が一緒で」
「破産するんだよ、ギャンブルとか趣味だとな」
「あっという間ですね」
「そうだよ、本当にお金なんてな」
「あっという間にですね」
「なくなってな」
そうなってというのだ。
「逆に今持ってなくてもな」
「将来ですね」
「急にな」
「お金持ちになったりしますね」
「そうしたものだからな」
「交際する基準にはしないことですね」
「ああ、今話したものよりもな」
「立場とかお金とかじゃなくて」
「仕事でもなくてな」
「性格ですね」
「そうだよ、中身だよ」
まさにというのだ。
「それこそがな」
「大事ですね」
「大金持ちでも屑みたいな奴だとな」
その人格がというのだ。
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