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ドリトル先生の落語
第十幕その十一

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「河豚にも歴史があって」
「こっちでは昔から食べてましたね」
「大阪ではね、戦争前は免許を持っていなくても」
 河豚を調理するそれがというのです。
「自分で捌いてね」
「食べる人がいたんですか」
「大阪の街にはね」
「そうだったんですね」
「そんなお話も聞いたよ」
「その辺りおおらかだったんですね」
「昔はね、まあ今もお店で捌かないなら」
 それならというのです。
「別に河豚を捌いて食べてもね」
「いいんですね」
「危ないけれどね」
「そうした知識がないと」
「知識があったらいいけれど」
 それでもというのです。
「河豚の毒は危ないから」
「迂闊に調理したら危ないですね」
「鉄砲だからね」 
 まさにそれだからだというお言葉でした。
「気を付けないとね」
「いけないですね」
「イギリスで河豚を食べることはね」
「想像もしなかったですね」
「最近日本料理のお店でメニューであるかも知れないけれど」
 それでもというのです。
「まあイギリスはね」
「うん、食べものの評判悪いからね」
「それも世界的に」
「世界一まずいとかね」
「悪評高いのよね」
「他の国のお料理も」
「だからね」
 それでというのです。
「あたらなくてもね」
「どんな代物が出るか」
「わかったものじゃないね」
「それこそ」
「あちらだと」
「お寿司も日本人が観たら何それだし」
 そう言う様なものでというのです。
「本当にね」
「河豚だってね」
「そもそもイギリス人で河豚食べるって発想ある人少ないね」
「食べものと思ってる人も少ないね」
「烏賊もそうだったし」
「蛸も食べないし」
「そうしたお国で河豚を食べると」
 それならというのです。
「どうなのかな」
「うん、心配だね」
「むしろね」
「河豚が出ても」
「あたらなくてもね」
「いや、イギリス生まれでも」
 それでもと言う先生でした。
「お料理はね」
「紅茶とティーセット」
「あと朝ご飯」
「そうしたものはいいけれど」
「他のものはね」
「僕から見ても」 
 どうにもというのでした。
「残念かなってね」
「言うしかないね」
「特に日本に住む様になって」
「そのことを実感するわね」
「心から」
「全くだよ、日本は落語でも食文化が豊かなことがわかるから」
 そうしたお国だからだというのです。
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