第十幕その十一
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「わし等天使は食べる必要がないけれどね」
「ああ、そういえば食べておらんな」
ノーム王も言われて気付きました。
「食堂や台所があってもな」
「わし等は食べないのです」
ケルビムさんはノーム王にも答えました。
「光を浴びればです」
「それが糧になるか」
「そうした身体なので」
「それでか」
「何も食べず飲まず」
その様にしてというのです。
「生きられます」
「そうであるか」
「ただお客様にはです」
「食べる必要がある者達にはか」
「おもてなしとして」
それでというのです。
「食べものや飲みものをです」
「出しますか」
「はい、お酒もあります」
こちらもというのです。
「赤ワインが」
「赤ワインか」
「赤ワインは主の血であるので」
それでというのです。
「いつもです」
「用意しておるか」
「わし等は飲みませんが」
「お客人達にじゃな」
「振舞わせてもらっています」
「成程のう」
「それでなのですが」
ケルビムさんはさらに言いました。
「実はわしはシェフでして」
「おお、そうなのか」
「もうお昼ですので」
「ではわし等にか」
「これからお料理を作らせて頂きます」
こう言うのでした。
「是非」
「そうしてくれるか」
「それで何をお召し上がりになりたいですか」
「そうじゃな」
注文になってです、ノーム王は少し考えました。そのうえでケルビムさんに答えました。
「スパゲティがよいか」
「そちらですか」
「ワインがあるならな」
それならというのです。
「ワインに合うな」
「そうしたものをですね」
「食べたくなったからな」
それでというのです。
「ここはな」
「そちらをですね」
「頂きたい」
「では他の方は」
ノーム王以外の人にも尋ねました、すると皆もスパゲティと聞いてそれでとなりました。そのソースのお話もです。
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