第十幕その九
[8]前話 [2]次話
「人は小さい、実にな」
「神の前では全てが小さなものですからね」
天使さんも言いました。
「オズの国においても」
「全くじゃな」
「オズマ姫もそう言われていますね」
「いつも言ってるわ、私一人では何も出来ないって」
トロットがオズマの言葉を述べました。
「皆がいてそしてね」
「神々がですね」
「おられてね」
そうしてというのです。
「いつも何かが出来ているって」
「そうです、私達もです」
「天使さん達もなのね」
「私達だけで何が出来るか」
穏やかな真面目なお顔で言いました。
「果たして」
「何も出来ないわよね」
「そうです、人はまことにです」
「小さいわね」
「それで自分が偉いなぞ」
「ないわよね」
「それは勘違いもです」
それこそという口調での言葉でした。
「実にです」
「はなただしいわ」
「まことに」
「かつての前王がそうであったのう」
ノーム王はしみじみとして思いました。
「妖魔達やウグもだったか」
「そうじゃな、神様を信じないでな」
「自分だけになってな」
ドワーフ王にも応えました。
「そしてな」
「日本で言う天狗か」
「いや、天狗というか悪い意味での唯我独尊か」
「自分しかなくなっておったか」
「もう信仰も何もなくてな」
そうした考えになっていてというのです。
「それでじゃ」
「神様は頭にない」
「信仰もな」
「それで自分だけでな」
それでというのです。
「勝手気ままになっておったら」
「それでは失敗するのう」
「事実何度も失敗してな」
「ラゲドー氏は王でなくなった」
「今は心が変わって楽しく暮らしておるが」
「かつてはな」
「全く以てな」
それこそというのです。
「なっておらんかった」
「そうであったな」
「そうじゃ」
こう言うのでした。
「あれでは失敗するのも当然じゃ」
「自分だけではな」
「本当にな」
「そうしたことがわかることもです」
まさにとです、天使さんがここでも言いました。
「信仰の素晴らしさですね」
「全く以てな」
「ではこのままですね」
「宗教画もな」
全てというのです。
「このままな」
「ご覧になられますね」
「うむ」
笑顔での返事でした。
「そうさせてもらう」
「それでは」
天使さんは笑顔で応えてでした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ