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第四十話 憧憬その四

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 家ではいつも両親からその優秀さ特にコンピューター関係でのそれを褒められ政府や大企業から内密に助けも求められてだった。
 解決をしたり利益を上げたりしていた、だがそうしたことにも何も感情を抱かず日々を過ごしていたがその中でだ。
 下校途中にだ、赤いスーパーカーに乗った庚から呼び止められたのだった。
「貴女楽しいという感情は知ってるかしら」
「どんなものかしら」
 その庚にも無表情で応えた。
「それは」
「今からそれを教えてあげるわ」
「だから一緒に来いというのね」
「どうかしら」
「不思議ね。何の根拠もなく思えたわ」
 颯姫は庚にこう返した。
「行くべきだって」
「私とね」
「それではね」
「ええ、車に乗ってよね」
「私が案内するところに来てね」
「そうさせてもらうわ」
 こうしてだった。
 颯姫は地の龍の中に入りビーストも紹介されて今に至るのだった。
「楽しさが何かわかってきたかもね」
「それは何よりね」
 庚は颯姫の返答に微笑んで応えた。
「地の龍の一人であると共にね」
「私をこの中に入れて」
「そうしてね」
「よかったのね」
「ええ、この中にいていいと思うわね」
「ええ」
 一言でだ、颯姫は答えた。
「とてもね」
「それならいいわ、ではこれからもね」
「この中で」
「楽しい思いをしていってね」
「そして他の感情も」
 颯姫は自分から言った。
「感じていくわ」
「そうするのね」
「それでビーストとも」
「一緒になのね」
「過ごしていくわ。ビーストも友達よ」
 このコンピューターもというのだ。
「一緒に戦って皆を助けていく」
「お友達ね」
「だから」
 それ故にというのだ。
「これからもね」
「ビーストともなのね」
「過ごしていくわ」
「お友達として」
「ずっとね」
 こう言うのだった、この時誰も気付いていなかったが。
 ビーストは密かに反応した、それは颯姫の言葉に喜んでいる様だった。
 颯姫の話が終わると今度は草薙が話した、彼はこの時クランプ学園高等部の学生であり友人達と進路のことで話していた。
「俺は自衛隊に入ろうって思ってるんだ」
「自衛隊か」
「そっちにか」
「ああ、自衛隊に入ってな」
 友人達に優しい顔と声で話すのだった。
「皆を護って助けようってな」
「考えてるんだな」
「そうなんだな」
「自衛隊はそうした仕事だろ」
 この組織のことも話すのだった。
「そうだろ」
「そうだな、災害が起こったらな」
「真っ先に救助に行くよな」
「地震や台風が起こったら」
「その時はな」
「だからな」
 それでというのだ。
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