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第四十話 憧憬その三

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「まことに」
「世界を救えたことも」
「僕だけではとても」
「ここにいる皆がいてですか」
「その結果ですよ、では今から」
「この八人で、ですね」
「世界を救えたことを喜びましょう」
 こう言ってだった。
 遊人はこの時の仲間達と戦いに勝って世界を救えたことを喜び合った。このことを話し終えるとだった。
 星史郎は微笑んだ、こんなことを言った。
「遊人さんは地の龍になられる以前にも」
「はい、大きな戦いの中にあってです」
「戦われていたのですね」
「あの時の仲間とは今もお付き合いがありまして」
 遊人は星史郎に笑顔で話した。
「親しくしています」
「そうですか」
「そして今はこうしてです」
 さらに言うのだった。
「皆さんとです」
「一緒ですね」
「あの時は人間を護り今は」
「滅ぼす立場ですね」
「変われば変わるものです、ですがそれが運命というのなら」
 それならというのだ。
「それに水の様に流れて生きることもです」
「いいですか」
「僕なりに一生懸命生きますよ」
 このことについても言うのだった。
「あの時八人で誓いもしましたし」
「戦いが終わっても死なないとですか」
「簡単には。ですから」
 それでというのだ。
「簡単には死にません、ですが」
「運命にはですね」
「意識して逆らわず」
 そうしてというのだ。
「流されるままにです」
「生きられますか」
「そうしていきます」
「それも運命なのね。では今度は私が」
 颯姫が言ってきた。
「お話するわ」
「ああ、頼むな」
 草薙が優しい笑顔で応えた。
「それじゃあな」
「そうさせてもらうわ」 
 草薙に応えたうえでだった。
 颯姫は自分の話をはじめた、それはというと。
「駄目ね、筋肉の能力を練習でもっと上げないと」
「そうしないとなの」
「貴女は右手、ラケットを持つ方をね」
 中学時代所属していたテニス部の同級生に話した。
「毎日今より三百回素振りを増やして」
「そうしてなの」
「筋力を上げれば」
「もっとよくなるのね」
「それだけ触れは筋力は上がって身体の負担もオーバーしなくて怪我をしないから」
 だからだというのだ。
「いいわ」
「じゃあやってみるわね」
 その同級生は颯姫の言葉に頷き実際に素振りを増やした、すると大会に出られるまでになって彼女に礼を言ったが。
 颯姫は無表情でだ、こう述べた。
「ただ見ただけを言っただけだから」
「いいの?」
「何でもないわ」
 こう言うだけだった、そして。
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