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第四十話 憧憬その二

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「確かにな」
「美味しいですね」
「かなりな」
「そうですね、では」
「蕎麦を食べた後はな」 
 祖父はそれからのことを話した。
「また百貨店の中を巡るか」
「わかりました」 
 ??は微笑んで頷いた、そしてだった。
 祖父と楽しい一日を過ごした、祖父は屋敷に帰ると彼に穏やかな声で言った。
「また機会があればな」
「こうしてですね」
「百貨店でも何処でもな」
「一緒にですね」
「行きたいか」
「お願いします」
 これが??の返事だった。
「また」
「行こう」
「そうしましょう」
 にこりとして応えた、その話が終わると遊人が言ってきた。
「いいお祖父さんですね」
「そうですか」
「はい、優しくて暖かい」
 こう??に言うのだった。
「そうした方ですね」
「僕もそう思います、本当にです」
「いいお祖父さんですね」
「僕の家族です」
 こうも言うのだった。
「何よりも代え難い」
「そうね。ずっと大切にしてあげなさい」
 庚も言って来た。
「これからも」
「そうしていきます」
「次は僕ですね」
 その遊人が言ってきた。
「それではです」
「これからね」
「僕の若い頃をお話させてもらいます」
「若き日ね」
「これでもおじさんですから」
 庚ににこりと笑って話した。
「ですから」
「貴方の場合はなのね」
「若い頃です、まだ学生の」
「その頃のことなのね」
「お話させてもらいます」
 こう前置きしてだった。
 遊人は彼の若い頃のことを話した、それは彼がまだクランプ大学の学生だった頃のことで彼はその頃の仲間達と話していた。
「ようやくですね」
「終わったな」
「何とかな」
「これで」
「はい、よかったですよ」
 自分を含めて八人いる、その中で言うのだった。
「無事に終わって」
「そうですね、しかしです」
 ある黒髪の少年が言ってきた。
「若し遊人さんがいないなら」
「それならですか」
「勝てたかどうか」
「いえ、ここにいる誰が欠けてもでした」
 遊人は小学生と見える少年に笑顔で話した。
「絶対にです」
「勝てなかったですか」
「はい」
 優しい笑顔で言うのだった。
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