第二章
[8]前話
「あれ何?」
「どうしたの?」
「何かあったの?」
「見てあそこ」
二人にそちらを指差して応えた。
「何かいるわ」
「えっ、何あれ」
「丸いのが二つ光ってるじゃない」
二人もその指差した先を見て気付いた。
「あれ何よ」
「本当に何?」
「まさかと思うけれど」
「ああ、あれ猿だね」
丁度店の中に帰ろうとしていた山元がその光るものを見て言った。
「この辺り山が近いからいるんだ」
「えっ、お猿さんって」
「こんなところにも出るんですか」
「そうなんですか」
「時々ここまで来るんだ」
山元の言葉は至って落ち着いたものだった。
「実はね」
「お猿さんが出るなんて」
「確かに山近いですけれど」
「はじめて見ました」
「そうなんだ、近寄らないでね」
山元は三人にくれぐれもと注意した。
「猿も危ないからね」
「結構狂暴なんですよね」
「噛んだり引っ掻いたりして」
「危ないですね」
「だからね」
それでというのだ。
「迂闊に近寄らないでね」
「わかりました」
「そうします」
「危ないですから」
「それで近寄らないといいから」
それでというのだった。
「もうね」
「帰ります」
「お家に」
「今から」
「そうしてね、暗くなると色々出て来るから」
山元はまたこの言葉を出した。
「それじゃあね」
「今から帰ります」
「暗くなってきたし」
「お父さんお母さんにも怒られますし」
「すっかり暗くなる前に帰るのが一番だよ」
三人に話した。
「やっぱりね」
「ですね、それじゃあ」
「また今度」
「アイス買わせてもらいます」
三人は山元に応えてだった。
そのうえですぐに帰った、それぞれ家に帰ると暗くなったからもう少し早くと親達に言われた、だがそれだけですぐに家での日常に入ってだった。
夕食を食べ風呂に入り宿題をしてスマートフォンも手にした、そのうえで一日の残り時間を満喫したのだった。
駐車場で見たもの 完
2023・10・23
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