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星河の覇皇
第八十五部第二章 日本大使館その九

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「食べる量もです」
「少ない」
「そう言われますか」
「その様に」
「はい」
 まさにというのだ。
「私は。小さいことはいいことです」
「そうなのですか」
「小柄であられることが」
「そう言われますか」
「困ったことはありません」 
 自分としてはというのだ。
「何しろこの小柄さから夫に見初められ」
「そうしてですね」
「幸せな結婚生活を営めている」
「だからですね」
「はい、ですから」
 愛する相手に巡り合えたからだというのだ。
「私はいいと考えています、それに」
「それに?」
「それにといいますと」
「小柄で隠れたい時に隠れやすいので」
 このこともあってというのだ。
「子供の頃からかくれんぼ等に苦労していませんし」
「そのこともあってですか」
「それで、ですか」
「小柄であられることがですか」
「私の果報だとです」
 その様にというのだ。
「私は考えています、伊東首相も小柄ですね」
「そうですね、あの方も」
「小柄な方ですね」
「背は一五〇程だとか」
「連合の成人女性の平均身長は一八〇ですが」 
 それでもというのだ。
「伊東首相はそれ位ですね」
「そして大使は一四五ですが」
「そのお身体がですか」
「いいと考えています、伊東首相の様に小柄である」
 このこともというのだ。
「私は果報に考えています」
「大使は伊東首相を敬愛しておられますね」
「日本に来られる前から」
「左様ですね」
「素晴らしい政治家であるとです」 
 その様にとだ、テレサ=チバは答えた。ニカラグア出身であり今は中央政府日本大使を務めている。カバリエが言うその彼女である。
「私は考えています」
「左様ですね」
「大使は常に言っておられますね」
「伊東首相は素晴らしい政治家であると」
「見事な方だと」
「はい、政策も謀略もお見事で」
 そしてというのだ。
「統率力もおありですから」
「内閣も政党もよくまとめておられますね」
「後進の教育もされていますし」
「そのことを見るとですね」
「確かに素晴らしい方ですね」
「これまではその伊東首相とどちらかというと協調していましたが」
 あどけない表情で話す。
「ですがこれからは」
「違いますね」
「対立していきますね」
「中央政府として」
「そうなっていきますね」
「それならです」
 共に食べている者達に穏やかな顔で話した。
「お仕事を進めていきましょう」
「そうしていきますね」
「これからは」
「そして、ですね」
「中央政府としてですね」
「やるべきことを果たしましょう、その時のその場で全力を尽くす」
 これがというのだ。
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