第88話 銀の襲撃
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ないんだ!?」
俺はエマをお姫様抱っこしてまでして全力でコリン君を追いかけているが一向に距離が縮まらない。
「エマ、あれは本物のコリン君か?」
「はい、魔術で確認してみましたがおかしな点は見つかりません。恐らく本物かと……」
「じゃあ素であんなに早いって言うのか?子供の足の速さじゃないぞ!」
いつの間にか町を出てしまい街道を走る俺はふとあることに気が付いた。
「これ誘い込まれてるな……」
「えっ?」
「町から離れているし明らかに人気のない所に向かっている」
俺は距離の離れたコリン君を見ながらエマにそう話す。
「なら戻った方が……」
「あれが本物のコリン君なら逃げたりしたら結社に何をされるか分かったもんじゃない、それに結局振出しに戻るだけだ。なら罠だとしても突っ込むしかない」
「分かりました、私もリィンさんと一緒に行きます!昨日はお役に立てませんでしたけど今日こそは貴方の力になりたいんです」
「ああ、頼りにしてるぞ」
俺達は意を決してコリン君が入っていった森の奥に向かった。
「コリン君!」
コリン君に声をかけると彼はフラッと地面に倒れこんでしまう。
「リィンさん、コリン君の様子が変です!早く容体を見ないと!」
「ああ……っ!」
俺はなにか嫌な予感を感じ取り太刀を抜きエマを庇う、すると金属音と共に何者かが姿を現した。
「えっ?」
「この!」
惚けるエマを尻目に俺は太刀で防いだ大剣を持つフードの人物に投げナイフを投げる、しかしそれらはすべて回避されてしまった。
「完全に気配を隠していたはずだがよく不意打ちに気が付いたな」
「そうじゃなきゃとっくに死んでる世界で生きてきたからな」
俺はエマを庇うようにフードの人物と対峙する。
「お前も結社の一員か?」
「結社?違うな。私の名は『銀』、依頼によってお前の命を奪わせてもらう」
「銀だと!?カルバート共和国で伝説になってるあの暗殺者の!?」
俺は銀という名を聞いて驚いた。裏社会で生きていて銀の名を知らない奴はいない、それくらい有名な暗殺者なんだ。
「そんな奴が何で俺を狙う?誰に雇われた?」
「それを喋ると思うか?」
「なら喋らせてやる!」
俺は太刀を構えて技を放った。
「『孤影斬・乱』!!」
俺は四回太刀を振るい飛ぶ斬撃を連続で放つ、銀はそれを大剣による薙ぎ払いでかき消した。
「紅葉切り!」
俺は太刀を居合の構えにして奴の懐に入ろうとする。当然銀は俺から距離を取ろうとするが……
「はぁっ!」
「ッ!?」
俺は居合を放つふり
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