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八条学園騒動記
第七百二十一話 蛇の天敵その九

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「ドッグフード等にしてな」
「食べますね」
「毒がないとな、その毒ですらだ」
「利用しますね」
「闇社会では悪用されるそうだが」
 大尉もそちらまでは知らない、彼が調べ知っているのはあくまで連合の表の世界だけのことであるのだ。
「表では弱めたり等してだ」
「利用しますね」
「毒も使い様次第でだ」
「薬にもなりますね」
「だからな」
「毒も捨てないのですね」
「どうにもならないもの以外はな」
 例え連合の技術を以てしてもというのだ。
「そうする」
「それも連合ですね」
「そういうことだ、その何でも用いてな」
「利用してですね」
「最後の最後まで捨てないことはな」
 このことはというのだ。
「長所だ」
「連合の」
「人間も同じだ」
 連合市民もというのだ。
「例え一つの分野で終わってもな」
「他の分野で活躍してもらうのですね」
「そうだ、動けるまでな」
「少しでもですね」
「動くというのがだ」
 それがというのだ。
「連合という国でな」
「それで、ですね」
「人間もだ」
「使い捨てにされないですね」
「人を使い捨てにする組織は崩壊する」
 大尉はこの現実を厳しい言葉で指摘した。
「ソ連がそうだった様にな」
「スターリンの頃の」
「スターリンはかなり幼稚な部分があった」
 これがこの人物の複雑なところであろうか、非常に読書家であり恐ろしいまでの記憶力を持ちかつ妙な幼児性を備えていた様だ。
「悪戯好きでな」
「独裁者になっても」
「それが趣味の一つで子供の様な発言もだ」 
 そこには性質の悪いブラックジョークもあった。
「あったしな」
「粛清もですね」
「子供は嫌な相手にはすぐに消えろというな」
「はい、確かに」
 上等兵もこのことには心当たりがあった。
「そして命の重みも自覚せず」
「生きものを殺したりするな」
「蒸等を」
「スターリンもだ」
「あれだけ粛清を行い戦争で犠牲を厭わなかったのも」
「幼児性も備えていてな」
「子供の持つ残酷さとですね」 
 上等兵も言った。
「命の重さを理解していない」
「その考えがあってな」
 それでというのだ。
「まるでおもちゃを捨てる様にな」
「使い捨てにしていましたか」
「人をな」
「そうだったのですね」
「私は最近そう考えている」
 スターリンについてというのだ。
「どうもな」
「スターリンはそうですか」
「しかし連合はな」
「スターリンの様にしませんね」
「スターリンのそうした行動が多くの犠牲を生んだ」
 彼のその政策そして戦争のやり方がだ。
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