第四十話 童話の中からその十二
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「阪神ですか」
「そこ我が主もだからね」
今度は金太郎の熊が言ってきた。
「都でお務めしてたよね」
「四天王となってからは」
源頼光の配下のだ、これが坂田金時である。
「そうでした」
「何で武蔵のしかも外道なチームに入るか」
「金太郎さんは正義感も強いので」
「有り得ないよ、もうすぐに甲子園に行って」
そうしてというのだ。
「阪神でだよ」
「大活躍ですね」
「その漫画酷過ぎるね」
熊は憤慨さえ見せた。
「起きた世界の巨人も悪の限りを尽くしてるよね」
「ほんま酷いです」
芥川が答えた、それも真顔で。
「選手強奪に手段を選ばへんで」
「どんな汚いこともしてだね」
「それで悪質なプロパガンダも常で」
こちらもというのだ。
「もうほんまにです」
「悪質だね」
「極まりないです」
ただ悪質なだけでなくというのだ。
「それにです」
「他にもあるね」
「はい」
実際にというのだ。
「球界を私物化してましたし」
「他のチームをないがしろにして」
「それで他のチームのファンや選手も軽んじて」
無礼を言うなたかが選手が、これこそが巨人のスタンスでありその巨人の太鼓持ち特にしゃもじを持って奇怪な妄言をまき散らし他の人の家に上がり込んで飯を漁るだけの五流どころか百流程度の芸人の考えである。
「馬鹿にしてきました」
「そんなチーム絶対にだよ」
「金太郎さんはですね」
「入らないよ」
熊は断言した。
「何があってもね」
「むしろ阪神に入って」
「正義の鉞を振り下ろしているよ」
邪悪巨人に対してというのだ。
「間違いなくね」
「そうですか」
「そのことは言うよ」
強い言葉であった。
「絶対にってね」
「そうですか」
「あんなチームはやっつけないと」
さもないと、というのだ。
「世の為人の為にね」
「なりませんね」
「そうだよ、その辺りはわかってね」
「わかりました」
中里はまさにと答えた、それは他の者達もであった。
「ほな」
「それなら嬉しいよ、ではね」
「これからですね」
「戦おうか」
「宜しくお願いします」
「僕達も神霊だからね」
熊はこのことも言った。
「そのことも宜しくね」
「わかってます、ほな今から」
「戦おうね」
こう話してだった。
一行は金太郎の熊や桃太郎のお供といった日本の童話に出て来る生きもの達との戦に入った。戦うとだった。
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