第百話 彼岸を過ぎてその一
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第百話 彼岸を過ぎて
かな恵はクラスで日本人以外のクラスメイト達がこんなことをどうにもという顔で話しているのを聞いた。
「もうちょっとしたら十五日よね」
「そうよね」
「それでちょっとしたら二十三日で」
「彼岸よね」
「それで彼岸を過ぎたら」
そうなればというのだ。
「涼しくなるわね」
「というかそこから寒くなるのよね」
「日本ってね」
「特に神戸はそうよね」
「彼岸が終わったら」
「そこからね」
こんな話をしていた、それでこうも話すのだった。
「衣替えもするしね」
「十月に入ったら」
「それまで夏服だったのがね」
「冬服になるのよね」
こんな話をしているのを聞いた、それでだ。
昼休み成海と一緒にお弁当自分が作ったそれを一緒に学園内のベンチに並んで座って話すと彼にこう言われた。
「それな、俺のクラスでも言ってたよ」
「外国の子達が
「ああ、彼岸が終わったらな」
そうなればというのだ。
「秋になるってな」
「完全に」
「それまではまだ暑くてもな」
「残暑が続いて」
「その頃にはな」
彼岸を過ぎると、というのだ。
「話してたよ」
「そうだったのね」
「それで食いものがな」
これがというのだ。
「変わるってな」
「そっちは食べもののお話したの」
「日本って季節によってな」
かな恵が作ったサンドイッチ、ハムのそれを食べつつ話した。
「料理も違うってな」
「他の国はそうでもなかったりするわね」
「日本って四季がはっきりしてるだろ」
「それでお料理も変わるわね」
「まあ普通な」
かな恵に考える顔で話した。
「夏にすき焼きとか冬にお素麺とかな」
「食べないわね」
「そうだよな」
「確かね」
かな恵は野菜サンド自分が作ったそれを食べつつ言った。
「千両蜜柑ってあったわね」
「落語か何かだったか?」
「夏の蜜柑ね」
「昔は蜜柑って冬だけだったからな」
「秋に摂れてね」
「蜜柑は冬の食べものだったな」
「そうだったのよね、それで夏は西瓜ね」
この野菜だったというのだ。
「瓜とか」
「そうだよな」
「秋は柿でね」
「季節によって甘いものも決まってたな」
「四季によって」
かな恵はさらに言った。
「そうだったのよね」
「昔はな」
「それも四季があるからね」
かな恵はあらためて話した。
「そうよね」
「そうだな、それで彼岸を過ぎたら」
どうなるか、成海はかな恵に話した。
「本当にな」
「涼しくなるのよね」
「九月の最初なんて」
この時期はというと。
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