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星河の覇皇
第八十五部第二章 日本大使館その七

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「地域によって食文化は違う」
「それはありますね」
「関西ではうどんが主流でしたが」
「お蕎麦も食べていましたね」
「そのお蕎麦もです」
「軽食ではなかったですね」
「おかずにはしていましたが」
 蕎麦をだ、うどんをおかずにするのが関西の食文化の特徴であったが蕎麦をそうするケースもあったのだ。
「それでもです」
「軽食ではなかったですね」
「そこは違いました」
「関西と関東では」
「今は多少は残っていても」
 食文化の違いはというのだ。
「それでもですね」
「今はそうした考えもないですね」
「そうですね」
 こうしたことを話してだ、そしてだった。
 東はお茶を飲んだ、見れば小柳もそうしていた。それで二人で店を後にするまで政治の話をしたのだった。
 日本の武蔵星系のある店に一四五程の背の丸眼鏡で何処か狸もっと言えば穴熊それもアメリカアナグマを思わせる顔立ちの女性がいた、膝までの青いスーツは着させられているという感じだ。茶色の髪をロングヘアにしている。
 その女性が蕎麦、ざるそばを食べつつ言っていた。
「こうして噛まずにです」
「喉越しですね」
「それをですね」
「味わうという食べ方がです」
 同じ卓にいる者達に話した。
「何でもです」
「この星系の食べ方ですね」
「お蕎麦の」
「そうなのですね」
「はい、江戸っ子の食べ方とです」
 その様にというのだ。
「私は聞いていまして」
「それで、ですね」
「今ですね」
「その召し上がり方をされていますね」
「実際に」
「噛まずに飲み込みますので」
 それでというのだ。
「消化にはよくないですね」
「左様ですね」
「それはどうしてもですね」
「麺をそのまま飲み込みますと」
「確かに消化には悪いですね」
「ですが喉越しを味わうことは」
 このこと自体はというのだ。
「悪い感覚ではないですね」
「面白い食べ方ですね」
「こうした食べ方もあるのですね」
「舌や歯で味わうのではなく喉で味わう」
「そうした楽しみ方もあるのですね」
「そしてそうなる理由は」
 小柄な女性はさらに話した、大使と言われた彼女は。
「おつゆにもありますね」
「その蕎麦つゆですね」
「これにありますね」
「まさに」
「こちらの蕎麦つゆは辛いです」 
 このことを指摘した。
「山城星系のものと比べますと」
「どうしてもですね」
「辛いですね」
「実際に」
「同じおつゆでも」
「大根をおろしたお汁にお醤油を入れたものなので」
 それがこちらの蕎麦つゆでというのだ。
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