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夢幻水滸伝
第三百十九話 ロサンゼルスからはじまるその一

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                第三百十九話  ロサンゼルスからはじまる
 トウェインはこの世界に来た瞬間に声から全てを聞いた、そのうえで瞼を開いて今の自分がいる場所を確かめた。
 目の前に広がるのは一九二〇年代のアメリカ起きた世界で言うとそれになる街並みだった。その街並みを見てだ。
 自分の前を通り過ぎた犬人の初老の男にここは何処かと尋ねると。
「ああ、ロスか」
「はい、この街はロサンゼルスです」
 男ははっきりとした声で答えた、男の頭はゴールデンレッドリバーである。
「カルフォルニア州の街の一つです」
「そうか、この街に出るとはな」
「何かありますか?しかし貴方」
 男はトウェインのステータスを見て驚愕した顔になって述べた。
「どなたですか」
「ああ、星のモンや」
 トウェインは即座に答えた。
「わいはな」
「そうですか、まさか星の方にお会い出来るとは」
「今この世界に来たばかりや」
 トウェインはこのことも話した。
「正直右も左もわかってへん」
「星の方といえばこの世界を救われることがお務めですが」
「それは聞いたけれどな」
 声からというのだ。
「そやけど具体的にどないするか、正直今は無一文でや」
「何もですか」
「出来ん、神具はあってもな」
 それでもというのだ。
「裸一貫も同然や」
「では世界を救う以前ですね」
「ほんまな、どないしよか」
「でしたら」
 男はトウェインの話を聞いて言った。
「市長さんに会われてはどうでしょうか」
「このロスのか」
「そうされてです」
 そしてというのだ。
「具体的にこれからどうしていくか」
「それを決めてくか」
「そうされてはどうでしょうか」
「そやな」
 考える顔になってだ、トウェインは男に答えた。
「まずはな」
「はい、市長さんに会われますね」
「そしてな」
「今後のことを決められますね」
「正直何をしてええかわからん状況が一番困る」
「途方に暮れることが」
「それよりも何かしら動く」
 強い声で言うのだった。
「それこそがや」
「一番いいですね」
「そやからな」
 それでというのだ。
「まずはな」
「市長さんとですね」
「会おうか」
「では市庁舎にですね」
 男はトウェインの言葉を聞いてそれならと応えた。
「行かれますね」
「そこに市長さんがおるな」
「はい、日中は土日休日以外はです」
「そこで働いてるか」
「左様です」
「よし、ほな話が速い」
 トウェインは男の話をここまで聞いて笑って言った。
「今からや」
「そちらにですね」
「行くわ、色々教えてくれて有り難うな」
「いえいえ、私は何もしていません」
「教えてくれたことは何かしたことやで」
 謙遜する男に笑って返した。
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