第十幕その一
[8]前話 [2]次話
第十幕 英語の落語
八条大学に春琴さんが来ました、春琴さんは先生と大学のキャンバス内にある喫茶店の一つで先生とお会いして言いました。
「いや、ほんままた来られて嬉しいです」
「母校にだね」
「私がいた時と変わってないですね」
春琴さんはミックスジュースを飲みつつ言いました、先生が飲んでいるのはミルクティーで動物の皆が一緒にいます。
「この前も来て思いました」
「それがいいんだね」
「懐かしくて」
それでというのです。
「ほんまです」
「嬉しいんだね」
「はい、ただ」
「それでもだね」
「これから変わっていきますね」
「徐々にね、数年は変わっていない様に見えても」
「それが何十年になりますと」
その単位になると、というのです。
「変わりますね」
「世の中は何でもね」
「そうですよね、それで大阪も」
春琴さんは今自分が暮らしている街のことをお話しました。
「変わってますね」
「織田作さんの頃と比べたら」
「昭和の戦争前の」
「かなりだってお話してるよ」
「そうですね、織田作さんの頃のお店は残っていても」
「何かとね」
「変わってますね」
「そうだよ」
「実際にですね」
「そうだよ」
「やっぱりそうですね」
「大阪も空襲に遭ったしね」
このこともあってというのです。
「そのこともあったし」
「大阪も変わりましたね」
「そうだよ、そして大きくもね」
「なりましたね」
「昔は平野の辺りはね」
大阪市平野区はというのです。
「大阪市じゃなかったし」
「そうでしたね」
「だからね」
「大阪も変わっていってますね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「本当にね」
「そうなんですね、ただ」
「ただ?」
「いや、私大阪がどうなってもです」
どう変わってもというのです。
「好きです」
「これからもだね」
「はい、そして」
それでというのです。
「この街で住みます」
「そうして落語もだね」
「やっていきます」
こう言うのでした。
「これからも」
「春琴さんがそうしたいならしていったらいいよ」
先生はミックスジュースを飲みつつお話する春琴さんに言いました。
「これからもね」
「ほな、ただです」
「ただ?」
「この前英語で落語してるって言いましたけど」
「そのことだね」
「はい、それをもっとです」
春琴さんは先生に言いました。
「していって」
「春琴さんの芸にするのかな」
「それもありますが」
それと共にというのです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ