第三十九話 幼少その十二
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「母さんがそうなってな」
「東京に戻って来たのね」
「そうなった」
「そして今ここにいるのね」
「皆と一緒にな」
「そうなのね」
「最後は僕だね」
昴流が言って来た。
「そうだね」
「そうでんな」
空汰はその昴流に顔を向けて応えた。
「わい等皆話しましたし」
「そうだね、ただ僕の話は長いから」
「それで、ですか」
「日をあらためてね」
そうしてというのだ。
「それでいいかな」
「そんな長いお話ですか」
「色々あったからね」
北斗そして彼との三人の日々を思い出しつつ答えた。
「だからね」
「わかりました、ほな」
「そうさせてもらうよ」
「こうして聞くと皆色々あったんだね」
玳透の言葉はしみじみとしたものだった。
「人生というか運命というか」
「そうね、ただそこにいるだけではないわね」
嵐は玳透のその言葉に頷いた。
「とても」
「そうだね」
「それぞれに人生があって」
そしてというのだ。
「運命の導きがあって」
「今に至るね」
「そうね」
「若しかしたら」
火煉は深く考える顔になってこんなことを言った。
「ここにいる誰かがここにいなかったこともね」
「ありますか」
「そうだったかも知れないわね」
「そうですね、僕も闘いに出たことがありますし」
玳透は火煉のその言葉に頷いて言った。
「それなら」
「そうよね」
「はい、若しかして」
「今ここにいなかった可能性もあるわね」
「その運命も」
「私だって」
ここでだ、火煉は自分のことを思い出して語った。これまでの何かとあった自分の人生のことをだ。
「神父様に出会えなかったら」
「ここにはですか」
「いなくて身もね」
これもというのだ。
「持ち崩していたかも知れないわ」
「その可能性もありましたか」
「神父様にお会いしたのは偶然でなくて」
そうでなくというのだ。
「必然でね」
「それで、ですか」
「お会いして」
「そこで救われたんですね」
「そして天の龍の運命に導かれて」
そうしてというのだ。
「今ここにいるのよ、ただその必然も」
神父と会ったそれもというのだ。
「色々あって」
「それでそのうちの一つにですね」
「私は向かっていて」
今度は征一狼に応えた。
「神父様にお会い出来たのかもね」
「必然と言っても一つではないですね」
「そうもね」
その様にというのだ。
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