第3部
ジパング
オロチとの戦い
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ことが皆同じじゃな』
一番大きなオロチの首が、大きく口を開ける。その瞬間、オロチの口から炎が噴き出した!
「ユウリ!!」
ユウリの眼前に迫ってくる、巨大な炎。ユウリも予想していなかったのか、ギリギリ間一髪で横に跳び退いた。
「ひゃああっっ!!」
炎は私やシーラの近くまで届いた。特にシーラはまだレベルが低いので、ちょっとした攻撃でも命取りになる。私はすぐさまシーラの前に出て彼女をかばう体勢になる。
一方ユウリは炎を避けた後もなお、オロチに向かって走り出している。剣を左手に持ち換えると、もう片方の手に魔力を集中させた。
「イオラ!!」
右の手のひらから放たれた魔力が、オロチの胴体に触れた瞬間爆ぜる。ユウリが使える呪文の中でも、かなり威力の高い術だが……。
『ふん、わらわに呪文など、効かぬ!!』
なんと、ユウリの呪文を直撃したにもかかわらず、オロチは無傷だった。それどころか、二つの小さい首が交差するように、ユウリめがけて突っ込んでくる。
「ちっ!!」
ユウリは後ろに飛び退きざま、迫ってくる二つのオロチの首を続けざまに袈裟懸けに斬った。だが致命傷には至らず、これ以上の追撃を避けるため二匹の首は後方へとさがる。その際オロチの傷口から出る紫色の血がユウリの顔にかかった。
しかし顔を拭う暇すら与えず、また別の首がユウリに襲いかかる。その度にユウリは呪文と斬撃で応戦するが、度重なる集中攻撃に次第に押されていく。
一方私は星降る腕輪の力を引き出し、自身の素早さをさらに上昇させていた。
オロチの牙を剣で弾くユウリの背後に回り込むように、先程斬られた別の首が噛み千切ろうと向かってくる。その首に向かって、私は渾身の正拳突きを放った。
『ぐっ……!!』
私の攻撃が効いたのか、オロチの呻き声が聞こえた。
「さっきのお返しだ!!」
いつの間に近くまで来たのか、ナギがチェーンクロスを振りかざし、さらに同じオロチの首に叩き込む。
連続で攻撃を喰らったからか、首は今もなおフラフラしている。このチャンスをみすみす逃す私たちではない。
「ヒャド!!」
追い討ちをかけるように、シーラの放った氷結呪文がそいつの頭を凍らせた。そいつは身をよじりながらもがき続けるが、このときすでにユウリは次の呪文を唱えていた。
「イオラ!!」
ドガアアアン!!
オロチ本体に効かないイオラを、今度はシーラの呪文によって氷浸けにされたオロチの頭に向けて放った。氷と共に、オロチの頭も共に弾け飛ぶ。
「やった!!」
五頭のうちの一つが倒れ、そのうちの二頭もユウリの斬撃により負傷している。このまま行けば、オロチを倒すことが出来る!
『……人間風情にしては足掻く方じゃの。しかし、無駄じゃ』
中央の首はそう言うと、大きく息を吸い込んだ。これは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ