第一章
[2]次話
ヤクザ屋が関わるペット業界
新入りの警察官できりっとした顔立ちの川村敏明は現場に向かいつつだ、先輩でパトカーを運転している山根芳樹四角い顔と太い眉を持ち丸い目の彼に尋ねた。
「あの、ペットショップにですよね」
「これから行くんだ」
「そして店長を逮捕するんですね」
「動物虐待でな」
「ペットショップですか」
川村は首を傾げさせて助手席から言った。
「あの」
「可愛い犬や猫が沢山いるな」
「ペットフードや用品も売っていて」
「可愛い場所だっていうんだな」
「そこで、ですか」
「行けばわかる、あとな」
「あと?」
「店員も見るんだ」
店のというのだ。
「そうしたらな」
「わかりますか」
「ああ、保護団体から通報を受けてな」
山根は怒った顔で話した。
「今から行くがな」
「酷いですが」
「それがわかるぞ」
こう言ってだった。
山根は自分で運転してパトカーをペットショップに向かわせた、そしてまずは店長と店員達を逮捕したが。
その彼等を見てだ、川村は唖然として言った。
「あの、この連中」
「ヤクザだ」
「何でヤクザがペットショップやってるんですか」
「ヤクザも最近苦しくてな」
山根は暴れながらも連行されていく彼等を見つつ川村に話した。
「こうしたな」
「お店もやってですか」
「生きてるんだ」
「そうですか」
「そしてだ、来い」
川村に店の奥を指差して言った。
「もっと酷いぞ」
「ヤクザよりも」
「そうだ、見るんだ」
「わかりました」
川村はその言葉に頷いた、そしてだった。
実際に店の奥に二人で入った、するとそこには。
狭いケージの中に入れられた多くの犬や猫達がいた、碌に毛の手入れもされておらず痩せ細っていてだった。
糞尿の匂いがきつかった、川村はその惨状を見て言った。
「あの、これは」
「ここで繁殖させてな」
「子犬や子猫を売ってたんですか」
「そうだ、この子達からな」
「何て酷いことを」
「ずっとここに閉じ込めてだ」
山根は怒った顔のまま話した。
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