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八条学園騒動記
第七百二十一話 蛇の天敵その六

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「そのこともな」
「わかりました」
 上等兵もそれはと頷いて応えた。
「兎角エウロパとは違い」
「そしてだ」 
 そのうえでとだ、大尉はまた言った。
「この孔雀も食べる」
「でh烏も」
「当然な」
「食べることは忘れない国ですね」
「だから飛行機や船や机や椅子以外のものをだ」
「そして毒があるものも」
「他は人間もだがな」
 自分達と同じというのだ。
「また言うがカニバリズムはな」
「連合でもですね」
「狂気であってな」
「滅多にですね」
「そこまでする狂人もいないものだ」
「普通ではないですね」
「カニバリズムが存在する文化もあったが」
 かつての人類にはというのだ。
「しかしな」
「今の連合ではですね」
「ない、そこまでの餓えもだ」
 人が人を食う様なというのだ。
「事故で遭難でもしないとな」
「ないですね」
「これは極めて特殊な事例でな」
 そうしたものであってというのだ。
「一般と考えるとだ」
「間違えますね」
「そもそも連合は医学も発達していてだ」 
 この分野もというのだ。
「カニバリズムの弊害もだ」
「知られていますか」
「クールー病になる」
 人が人を喰らうと、というのだ。
「これは厄介な病気でな」
「人に悪影響を与えますか」
「そうなる、同種を喰らうとな」
 そうすると、というのだ。
「やはりな」
「悪影響が出ますね」
「それが自然の摂理でな」 
 それでというのだ。
「そうした病気にもだ」
「なるので」
「だからだ」
「連合ではですね」
「相当な狂人でもない限りな」
「カニバリズムはないですね」
「それこそフリッツ=ハールマンの様な」
 この異常快楽殺人鬼の如きというのだ。
「狂人でないとだ」
「行わないですか」
「ハールマンが普通か」
「いえ」
 上等兵も一言で否定した。
「それは」
「違うな」
「断じて」
「若しあの輩を普通と言うならな」
「その輩もハールマンと同じですね」
「上に極めてという言葉が冠される程にな」
 そこまでにというのだ。
「異常な輩だ」
「そうなりますね」
「別に同性愛者でもいい」
 ハールマンはこのことでも有名だった、この時代では連合でもエウロパでも同性愛は普通だが当時のドイツでは犯罪であった。
「しかしな」
「快楽殺人とカニバリズムはですね」
「極めて異常だな」
「その異常の極みですね」
「そうした輩を普通と言うならな」
「同類であり」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
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