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神々の塔
第四十話 童話の中からその六

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「敬われていて」
「恐れられてるな」
「そやで」
 今もというのだ。
「アイヌの人達の信仰はあるさかい」
「起きた世界の日本でもか」
「かなり混血して」
 現代のアイヌ民族はというのだ。
「純粋な人等減ってるらしいけど」
「それでもか」
「ユーカリとして語られていて」
 そうなっていてというのだ。
「その意味で信仰は残ってるで」
「そやねんな」
「別に信仰否定されてへんし」
 このことは明治維新からだ、当時の日本政府は神道を国教としたが他の信仰を禁じることはなかったのだ。
「残ってるで」
「それで今でもか」
「羆は自然の荒ぶるカムイ、神様で」
「開拓期にはそんなこともあったか」
「そやねん、けどこの獣害も」
 今も語り継がれるそれがというのだ。
「他の国やと」
「百人以上食い殺したライオンとか豹とかおるんやで」
 シェリルが言ってきた。
「あの羆も確かに大暴れしたけどな」
「百人以上はとてもやし」
「そのことを見たら」
 それならというのだ。
「ほんまな」
「三毛別のお話はやね」
「大惨事にしても」 
 このことは事実だがというのだ。
「犠牲者の数はな」
「まだ少ない方やね」
「そうやろ」
「まあそれはね」
 綾乃も否定せずに答えた。
「百人以上と比べたら」
「桁がちゃうわ」
「そやね」
「ただ熊が怖いことは」
 シェリルはあらためて言った。
「そのことはな」
「事実やね」
「間違いなくな」
 それはというのだ。
「言えるわ」
「そやね」
「それで熊の妖怪もおって」
「結構な驚異やで」
「私等星のモンには何でもなくても」
「そこそこのレベルやと」
 そうであるならというのだ。
「やっぱり」
「脅威やな」
「それもかなりのやで」
 こう言うのだった、そしてだった。
 一行は日本の山、森と言っていいそれそのものの階の中を進んでいった。そしてその階も踏破すると。
 今度は海原の中、珊瑚や岩が見えたが。
「ここはあれか」
「竜宮の近くか」
 中里と芥川はその階の中を見回して話した。
「そうなんか」
「どうもな」
「これもやな」
 中里はこのことを確認して言った。
「今度戦う神霊さん達にまつわるな」
「そうした階やな」
「竜宮の様ってことは」
 中里は今度はこのことから考えて言った。
「亀か」
「今度の相手におるわ」
 芥川は次に戦う神霊のことをチェックしてから答えた。
「他には浦島さんもな」
「おるんやな」
「ああ、金太郎さんもおって」
 この神霊もというのだ。
「熊もな」
「おるんやな」
「そうなってるわ」
「そうか、やっぱりな」
「この階はな」
「童話の階段やな」
 日本のというのだ。
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