第九十九話 寝られるだけでもその十三
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「恋愛についてはね」
「そうなるのね」
「そうよ、まあ人種も民族も宗教も色々だから」
八条学園の特徴の一つである、その半分程度が外国人であるということは伊達ではないということだ。
「面白いわよ」
「女の子含めて」
「色々なカップリングも見られるしね」
「そういえば私のクラスでも」
今度は妹が自分の話をした。
「カメルーンの子と付き合ってる娘いるわ」
「アフリカのあの国ね」
「そう、サッカーの強いね」
こう姉に答えた。
「あそこの子とね」
「その娘日本人?」
「いや、インドネシア人よ」
「どちらも日本人じゃないのね」
「それも面白いでしょ」
「うちの学校じゃよくあることだけれどね」
それでもとだ、理虹は答えた。
「面白いわね」
「そうよね」
「それで私はね」
「工業科の人と付き合ってるわね」
「古田ちゃんとね」
彼の愛称で答えた。
「そうしてるわ」
「じゃあ私もなのね」
「商業科行ったら」
その時はというのだ。
「最初上手くやらないとよ」
「他の科の子と、となるのね」
「農業科と看護科以外のね」
「その二つも本当に女の子多いから」
「男の子真っ先に彼女持ちになるからよ。まさかね」
理虹は妹をジト目で見て問うた。
「彼女さんいる子に手は出さないわよね」
「略奪愛?」
「そうした漫画とかゲームで言うNTRになるわね」
「それね」
「そういうことしないわよね、あんた」
「それしたら絶対に碌でもないことになるでしょ」
妹の返事は冷静なものだった。
「その時はよくても」
「絶対に評判落ちるしね」
「タレントさんでもあるわね」
「そうでしょ、そんなことする人は自分もよ」
「獲られるのね」
「そうなるものよ、というか相手の人いるのにその人裏切る人なんて」
例え自分の交際相手にしてもというのだ。
「自分もよ」
「裏切られるわね」
「そうなるわよ」
「まさに因果は巡るね」
「そんな感じでね」
まさにとだ、理虹は妹に話した。
「自分もやがてはね」
「獲られるのね」
「本当に評判は落ちるし」
このことは避けられないというのだ。
「世間から白い目でね」
「見られて」
「信用も滅茶苦茶落ちるわよ」
「人の交際相手獲る様な人だって」
「ワーグナーなんてね。ドイツの子から聞いたけれど」
ニーベルングの指輪等の作品を残した作曲家である、自身の楽劇の脚本も書いていたことで知られている。
「弟子の奥さん獲ってるから」
「あの人そんなことしてたのね」
「援助してくれてる人の奥さんと浮気したり」
「それも酷いわね」
「そのことでも評判凄く悪かったのよ」
生前そうであったし今も批判されていることだ。
「他にもユダヤ系の人嫌いだっ
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