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首輪にあった手紙
第一章

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               首輪にあった手紙
 アメリカメーン州でだった。
 警官のハリソン=ブリーデン大柄で逞しい身体の金髪碧眼の四十代の彼は通報を受けた公園にパトカーで行くとだった。
 そこに通報通り白地で顔の左右に茶色の模様がある垂れ耳のやや大型の雌犬がいるのを発見して部下のジム=トマーソン若いアフリカ系の自分よりも背の高い彼に言った。
「クゥ〜〜ン」
「無事だがな」
「残念なことですね」
「ああ、捨てるなんてな」
 トマーソンに苦い顔で言った。
「それならだ」
「最初から飼うなですね」
「ああ、保護団体に連絡してな」
 ブリーデンは自分達に寄って来て助けて欲しいという顔で寄り添ってきているその犬を撫でながら話した。
「飼い主を探してな」
「この犬を捨てた」
「犬を捨てるのも犯罪だしな」 
 それ故にというのだ。
「責任を取らせるぞ、それでな」
「今度は一体」
「首輪にこんなのがあったぞ」
 見れば手紙だった、ピンクの首輪に付けられていた。 
「読むか」
「そうしますか」 
 トマーソンはブリーデンの言葉に頷いた、そしてだった。
 二人で手紙を読んだ、そのうえでまた言った。
「何が助けて欲しいだ」
「捨てておいて」
「全く、助けはするがな」
「見つけ次第ですね」
「逮捕するぞ」
「そうしましょう」 
 二人で忌々し気に話した、この手紙で犬の名前はローラとわかったが二人はこのことはよしとした。
 そのうえで彼女のことを保護団体に話して里親を探してもらって無事に心ある家族に迎えられた、二人はこのことは喜んだが。
「捨てた飼い主は見付かりませんね」
「ああ、全くな」
 ブリーデンはパトロール中トマーソンに応えた。
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