第一章
[2]次話
風俗の二十代
中村竜生は医師である、忙しいが収入には恵まれている。そんな彼の趣味は実に男性的なものだった。
「また行くのかい」
「行くよ」
同僚の羽生田実篤に答えた、バタ臭い感じの顔で黒髪は短いがその量はかなり多くしかもかなりの剛毛である。髭も濃く背は一七九位でがっしりした体格だ。色白で胡瓜の様な顔で目は小さく黒髪は右で分けていて一七〇位のひょろりとしたスタイルの羽生田とは正反対の外見だ。
「休みにはね」
「好きだね、風俗」
「生きがいだよ、そこに行って」
中村は好色そのものの笑顔で答えた。
「楽しむことこそ」
「君の生きがいだね」
「趣味それもね」
「一番の趣味だね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「僕にとってはね」
「それで行くんだね」
「うん、実はいい娘を雑誌で見付けたんだ」
中村はその笑顔で話した。
「もうね」
「どんな娘かな」
羽生田も男で興味がないわけではない、それで中村に尋ねた。
「一体」
「ホテトル嬢で目は隠しているけれど」
こうした店の娘の常である。
「歳は二十三歳、背は一五八スリーサイズは上から八八、五七、八九だよ」
「かなりだね」
「その娘を予約してるから」
既にというのだ。
「休日はそうしたホテルに入って」
「楽しむんだ」
「そうするよ」
羽生田に明るい笑顔で言った、そうして。
休日彼は実際にその娘と遊ぶ為にそうしたホテルこれも彼が調べてこれはという部屋を予約して入った。後はその娘が来るのを待つだけだったが。
翌日中村は羽生田に苦い顔で話した。
「風俗あるあるだったよ」
「ああ、あれだね」
「そう、あれだよ」
まさにというのだった。
「写真の外見と年齢公表のスリーサイズは」
「全く違うね」
「うん、二十三歳とあったけれど」
その娘のデータではというのだ。
「それがね」
「違ったんだね」
「実際は三十五歳以上はね」
それ位はというのだ。
「普通にね」
「いってたんだ」
「それでスリーサイスも」
これもというのだ。
「全く、お腹は三段で」
「五七じゃなかったんだ」
「それどころか」
それがというのだ。
「三段だったんだ、声も割れていて」
「二十代で割れてるとかね」
「ないね」
「間違いなくね」
羽生田は言った、二人共医者なのでそうしたことはよくわかる。
「それはね」
「もうそれでね」
そこでというのだ。
「尚更ね」
「わかったんだね」
「うん、その人は」
まさにというのだ。
「二十三歳の奇麗な娘さんじゃなくて」
「三十五歳以上の」
「おばさんとしかね」
その様にというのだ。
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