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リュカ伝の外伝
暗躍.5「一人勝ち」
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しいわ。知らないんなアンタも私と同等って事で今回は納得するけど」

『マーニャさん? あぁ……姐さんが知らないのも無理ないですよ。彼女は過去の世界に行った時の愛人ですからね! まぁ俺はリュカさんのナンバー2として知っていますけどね!』
ムカつくわね……それくらいでドヤらないでよ!

「過去の……? なるほどね、道理で私が知らないワケよね。アンタさぁ、お父さんと一緒に過去に行ってるんだから、その女の絵を描けるの?」
『勿論描けますよ。過去の世界では俺が一番最初にマーニャさんに出会ったんですからね!』
何なのコイツ……リュカフリークとして自分が一番だと自慢したいのね。

「じゃぁ描いてよ、今すぐ!」
『はぁ? 俺は忙しいんだよ!』
知った事か!

「アンタ……それで良いの? 写真って物を見たわよ。あれだけ手軽にリアルな絵が描ける(写す)のなら、アンタの存在意義が薄々になるわよ」
『なんねーよ! 俺はそれ以外にも才能豊かなんだよ!』

如何(どう)だか……私が出戻ったらアンタを差し置いて宰相に就任出来るのよ。実娘(むすめ)の私なら王様に黙って凶悪な兵器なんて作らせないからね!」
『何だぁ? 旦那に離婚を言い渡されそうなのか?』
されないわよ!

「かもね。如何すんの?」
『マジかよ(笑) まぁいいや。描いてやるよ。後で連絡する……』
「待てない。今すぐ描け。私も直ぐにそっちへ行くから」
『はぁ? 今来んのかよ!』

「あと何かご飯を奢って」
『何でだよ! 絵を描いてやるんだから、寧ろ依頼料として飯を奢れよ!』
「え〜……私お金持って無いしぃ」
『旦那から貰えよ』

「じゃぁ旦那も一緒に連れて行く」
『そうやって身勝手だから離婚されそうなんだろ!』
「ば〜か。ラブラブなのを見せてやんよ!」
『直ぐにボロを出すなよ(笑)』

通信を終わらせると私は夫に視線を送ってから、大きなお腹を抱えて起ち上がる。
夫も慌てて近付き私が立つのを手伝ってくれる。
「ありがと」
「ほ、本当にウルフ君の下に行くのかい?」

「そりゃぁ行くわよ。約束したし、マーニャとやらの絵も欲しいし」
「でももう答え合わせは終わっただろ。如何(どう)やらリュカさんが裏で暗躍してて全てを手に入れたって……解っただろ?」

「馬鹿ねぇ。まだお父さん達に逃げ道がある以上は、私の考えが正しかったと証明したことにはならないのよ」
「逃げ道って……そんなのあるのかい?」

「あるわよ」
「そうかなぁ?」
鈍いわね!

「この世に“ポピー”って名前の女が何人居るのか分かる?」
「さ、さぁ……流石に。なんせ一人にしか出会ってないから」
「じゃぁ“マーニャ”って女も多くはなくても、一人ではないでしょ!」
「た
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