暗躍.4「確定余生」
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殿下には心から感謝しております!」
へー……アルルさんはそんな事を言ったんだ。
「まぁそのお陰で……僕はとある魔法の本当の使い方に気付いたんだけどね(笑)」
「……はぁ?」
あ、ヤな予感がする。
お父さんがオモチャを見つけた時の笑顔だわ(笑)
「ところでお前……その鼻は如何したの? 生まれつきには見えないなぁ……折れて潰れてるじゃん。そこそこの美形って聞いてたんだけど……その顔じゃちょっとなぁ。見合い相手の女性も面食いって事だし、その面じゃぁ嫌われて破談かな? そうなると……やっぱり……うん。死刑方法は何がいい?」
「そ、そんな!? こ、この鼻は……温泉で折られて、王太子妃殿下に潰れたまま治癒されたんです!」
「え、何? 自分が不細工なのは、僕の義娘の所為だとでも言いたいの?」
結果としてはそうだけど……何か問題でも?(笑)
「ち、違いますぅ……全部俺が悪いんです……」
「ふむ……それが解っているのなら、僕がその鼻を治してあげよう」
それって……もしかして……
「ほ、本当ですかぁ!?」
「あぁ本当だとも。先刻も言ったが、僕は義娘に諭されたお陰で、治癒系魔法の画期的な使い方に気付かされたんだ。その方法なら、骨の潰れた歪な形の鼻も、アッという間に整えてみせるよ」
皮肉ねぇ……
人を安易に殺させない様に諭した事で、この人は人を殺さずに苦痛を与え続ける事への興味を持ってしまったのね。
世界中(異世界や過去を含む)の骨折ベホマの被害者は、アルルさんに感謝してることでしょう(笑)
「おい、アクデンは右腕と右足を押さえつけろ。バトラーは左だ。サーラ……お前は頭を押さえつけてろ……ピクリとも動かない様にな(笑)」
あぁ……この3匹を連れてきた理由は、その顔の怖さでネル家を威圧するだけじゃ無かったのね。
馬鹿は両腕両足を押さえつけられ、更には頭を固定されている。
頭だけをもっと詳しく説明すると、サーラの右腕で顎下から右耳までをホールドし、左腕で額から左耳をホールド。更には後頭部をサーラの胸に押し付ける状態にして完全に身動きを封じている。
「まぁ力を抜けよ。簡単に治癒系魔法の特性を説明してやる。名前の通り治癒する魔法だが、骨が折れてた場合は正しい位置に直さないと治癒魔法を使った時に折れ曲がった状態で癒着してしまう。今のお前の状態がソレな。今からする施術は、折れ曲がってくっついている鼻の骨を、再度粉々に粉砕して綺麗な形に整えてから再度治癒魔法で癒着させる。理解出来ましたか?」
「んー! んー!! んんん〜!!」
「それは何語? 誰か通訳して」
何語ではなく、頭を押さえられて口が開かない状態だから、ちゃんと発音出来てないだけよ。
でもお父さん
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