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夢幻水滸伝
第三百十八話 もう一人の覇者を見てその十三

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「それでや」
「そのうえで、っすね」
「そしてや」
「水軍を大西洋まで持って来るなら」
「スエズ運河があるけどな」
 この世界にもこの運河は存在しているのだ。
「アレンカール達が築いたな」
「それを使うっすね」
「あの運河はアレンカールと話したらな」
「使えるっすね」
「わし等もそうした条約を結んでるが」
「トウェインさん達もっすね」
「そやからな」
 この条約があるからだというのだ。
「ほんまな」
「北大西洋に水軍を持って来られるっすね」
「しかも中南米の領海を通ったら」
 それならというのだ。
「もうな」
「それで、ですね」
「こっちに来るわ」
「そうなりますね」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「テキサス州はあの連中の勢力圏や」
「その海に集結するっすね」
「ガルベストンとかな」
「そうしてくるっすね」
「そうなるとな」
「テキサス州っすか」
「そしてルイジアナや」
 メルヴィルは自分達の勢力圏であるこの州の名も出した。
「あの州もや」
「大事っすね」
「この二つの州の境か」
「決戦になるとしたら」
「そうなるか」
「ならです」
 フォークナーも言って来た。
「あの州にです」
「そや、軍をな」
「集結させますね」
「そうするで」
「わかりました」 
 フォークナーは確かな声で頷いて応えた。
「それでは」
「わし等が勝つかトウェイン達が勝つか」
 メルヴィルはこれ以上はないまでに真剣で強い顔で言った。
「これから決まるで」
「そしてその戦にですね」
「皆で向かうで」
 こう言ってそうしてだった。
 メルヴィル達は決戦に全力を注ぐことにした、アメリカの将来を賭けた戦が今まさにはじまろうとしていた。


第三百十八話   完


                    2023・8・15



       
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