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弓子、受難の十字架
第2章 陵辱
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べき倫理。
 白鷺弓子の純真な人格はそれらの人間的な要素で築き上げられている。しかし――
 諸々の禁断の書物が脳裡に出現し、紐解かれる(遠い異国の、あるいは遥か古の言葉で著されているにもかかわらず、弓子にはそれが母国語のように理解できた)。
 異界の光景が映し出され、禁忌の知識が注がれる…それによって彼女が今まで信じてきた健全で善良な常識は
相対化され、冒涜され、揺さぶられ、覆され、崩され、否定され、彼女の外に押し出されて薄れていく…
 弓子の心は恐怖に慄く。感情でそれらを嘘だと否定しようとするが、彼女の聡明な知性は不幸にもそれらが真実だと理解してしまう…宇宙の真の姿に対する絶望感が募っていく…二度と抜け出せない狂気が、迫ってくる…徐々に、
しかし確実に。それは知識による彼女の精神への陵辱である。
「そもそも君は何故、悪魔の侵略を阻止しようとして力を望んだんだい?それは君が、人間の世界と文明が、魔界よりもマシだと信じているからだ。しかし実際には人間の理性や日常など宇宙全体から見れば幻影のような物に過ぎない、と言う事が分かっているんだろ?」
弓子「言わないで、あの人の声でそんなこと言わないで、黙ってよ…!」
――私の正気が、無理矢理刷り込まれる邪悪な知識によって、だんだん侵されていくのがわかるわ。このままでは、私の心は…――

そしてその次には…

「あぁんっ、ああ、駄目っ、だめぇっ!…くうう、あぁ、あああ―――っ!」

●そして彼女の柔肌を性感帯を刺激し、淡いふくらみの乳房を揉み、固く閉ざされた処女(おとめ)の花陰を純潔が損なわれない程度に愛撫し続け、肌が泡立つような魔の快楽をあくまで生娘のまま弓子の身体に刻み込み、アクメへと導いていく。裸で
身動きを封じられ視力が衰えた分、(性感を含む)肌の感覚が敏感になった彼女に逃れるすべはない。そしてその次にはまた悲惨な記憶の強制想起が・・・。

●それらは彼女の心身への陵辱であった。十字架ごと弓子の裸身を包み込んだスライムにとって、その悲痛の感情・恐怖と絶望・望まぬ淫楽を強いられる苦しみは、実体化の糧として格好の好物なのだ。彼女の霊力であり、イザナミとの絆でもあるマグネタイトが悪魔に吸収されてゆく・・・。しかも彼女の眼の水晶体は徐々に毒液に蝕まれ、視野が混濁していく…(かって2.0だった弓子の視力は、この時点で既に0.7を切っていた)。瞳から頬を伝い落ちる清らかな涙の滴が紅く染まる時、それは…。
                                                                                            
 弓子は確かにイザナミから高濃度の生体マグネタイトを保有する神の体質を受け継いでいる。だが、彼女の心
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