暁 〜小説投稿サイト〜
イベリス
第百二十話 大きく深くなっていく想いその十

[8]前話 [2]次話
「どういうかっていうと」
「そうなるのね」
「犯罪をしなくても」
「不倫とかよくないし」
「そうも考えたら」
「卑しいってなるわね」
「そうした人もいるのね」
 クラスメイトは考える顔でこうも言った。
「世の中には」
「犯罪者じゃなくても」
「卑しくて」
 そしてというのだ。
「どうかっていう人もね」
「いて」
「そしてね」
「そうした人ともお付き合いしたら駄目ね」
 咲もどうかという顔で述べた。
「本当に」
「そうよね」 
 クラスメイトもそれはと応えた。
「知り合っても近付いたらね」
「駄目よね」
「お笑い芸人の人もそうで」
「その尼さんもね」
「どちらの人もね」
「何かね」
 別のクラスメイト小柄な娘が言っていた。
「どんな場所でもそんな人いるのね」
「そうね」
 咲もそれはと応えた。
「お坊さんの世界でもね」
「どんなところでもいい人がいて」
「よくない人もいるのね」
「そうよね」
「しかし」
 ここでだ、咲はこうも言った。
「どんなところでもっていうと」
「どうしたの?咲っち」
「何かあったの?」
「あっ、何でもないわ」
 お巡りさんの世界もと言いそうになって打ち消した、そうしてまた取り繕ってそのうえでクラスメイト達に話した。
「別にね」
「そうなの」
「じゃあいいけれどね」
「何もないなら」
「ええ、兎に角ね」
 咲はあらためて言った。
「どんな場所にもいい人と悪い人がいるのね」
「そうよね」
「そのことはね」
「どうしてもあるわね」
「本当にね」
「そのこと覚えておくわ」
 こう言うのだった。
「忘れないから」
「これ絶対よね」
「うちの学校だってこれはっていうのいるわよね」
「G組の中川とかね」
「あいつ凄い性格悪いでしょ」
「底意地悪くて図々しくてね」
「自分が都合のいい時だけへらへらして」
「それ以外の時は滅茶苦茶尊大で」
 とある同級生のことが話された。
「部活でも嫌われてるしね」
「男子でも嫌ってる子多いし」
「私達女子だってだしね」
「うちの学校でもああいうのいるし」
「アルバイト先でもいたりするし」
「悪い奴も何処でもいるわよね」
「嫌な奴だってね」
「けれど逆にいい人だってるし」
「何処でもね」
「どんな場所でもそうよね」
「そうなのよね、何処でもいい人も悪い人もいる」 
 咲はまた言った。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ