第百二十話 大きく深くなっていく想いその八
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「声優さんはね」
「絶対アウト」
「お近付きにもなりたくないわね」
「絶対に嫌よ」
「お話もしたくないわ」
「人間ああなったら」
それこそというのだ。
「終わりよね」
「そうよね」
「誰からも嫌われるわ」
「幾ら頭がよくてお金あっても」
「そうした問題じゃないわ」
「そんな人もいるわね、幾ら学歴やお金や地位があっても」
社会的にいいと思われるものがだ。
「それでもね」
「お付き合い出来ない人はいるわね」
「一緒にいたら絶対に嫌な思いするわ」
「そうなってね」
「不幸せになるわよ」
「あの人地元大阪らしいけれど」
活動拠点はそちらとのことだ。
「あっちのバーでも凄い偉そうで何様でお説教ばかりらしいし」
「ああ、やっぱりね」
「あの人そんな人なのね」
「そうしたお顔してるわね」
「実際にね」
そうだというのだ。
「見たら」
「そうよね」
「何かもう無茶苦茶嫌な人よね」
「ああした人とお付き合い出来ないし」
「ああもなりたくないわね」
「そうよね」
咲もそれはと応えた。
「あんな人にはね」
「何でああなったのか」
「不思議な位よね」
「しかもいい歳してああだから」
「救いがないわね」
「本当にね」
「実感なんてないけれど」
咲はどうかという顔になってクラスメイト達に話した。
「人って年齢重ねるとお顔に出るっていうわね」
「そうそう、四十になったらね」
「自分のお顔に自信持てとかね」
「そう言われるのよね」
「それ位になったら」
「あの人の人相ってね」
そのお笑い芸人のというのだ。
「お世辞にもね」
「よくないわね」
「もう見るからに何か言いそう」
「そんな風よね」
「ちょっとしたことで偉そうにね」
「それも鬼の首を取ったみたいに」
「そんな人相だから」
だからだというのだ。
「それを見てもわかるわね」
「ああなったら駄目ね」
「人間としてね」
「あんな人相になったら」
「もう終わりね」
「いや、人のお顔のことは言ったらいけないけれど」
それでもとだ、咲は考えつつ言った。
「けれどね」
「人相はあるわよね」
「元のお顔は兎も角」
「人相は見ることよね」
「そもそもね」
「人相が悪い人っているしね」
咲は入学してから速水や咲そして両親と話してきたことを思い出した、アウトローの世界にいる者達のそれをだ。
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